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「………は?」



思わず、相手をぽかんと見返した。
……今、この人なんて言った?



「ね、ヤろうよ。ていうか犯す

「っ、ちょっ待っ!!!あああああなた何言ってるんですか!!犯すって……」

「監督ー、Bスタジオにカメラ用意して。4台くらい」

「(シカト!!?)」

「あら、ツナちゃんその子とヤるの?女の子とは久しぶりじゃない?」

「そうだっけ?…あー、そういや最近男としかシてないかも」

「ちょ、無視ですか!」

「え?ああごめんね、じゃあ行こうか」

「っ、きゃっ!!」



男の人は、ふわり、と私を抱き上げた。
生まれて以来、一度もお姫様だっこなんて経験した事のない私はピキーンとでも効果音が付きそうなくらい固まり、口をぱくぱくさせながら男の人を見上げた。



「い、嫌だっ!私帰りますってば!」

「大丈夫だって、処女なりに優しくしてあげるから」

「っ……!!」

「じゃあ俺ちょっと抜けるねー。あ、暇な人誰か撮ってくんない?」

「撮っ…!!?じょ、冗談でしょう…?」


「まさか。…君がぐちゃぐちゃになって腰振るとこ、ちゃーんとカメラに収めてあげるから…ね」

「……っ」




くすり、と。
優しげな笑みだけど、冗談を言っている訳でも、ましてや私を想ってくれてる訳でもない。
……本当に、ぐちゃぐちゃにされてしまう、と。本能が私に告げて、背筋が凍った。




「い…いや、だ…」


「おいツナ、止めろって!!嫌なら帰っていいって約束で来てもらったんだから…」

「ディーノ、さ…」

「それはディーノさんとの約束でしょ?俺が守る義務はありませんよ」

「だからって…」

「大丈夫ですよ。嫌でもAV女優になりたくなるくらい開発してあげますから」

「……っ」




唯一の助け舟だったディーノさんを男の人は簡単に跳ね退けると、私に微笑んで歩き出し、部屋を出た。勿論私はばたばたと抵抗したけど、男の人はびくともせずに笑いながら、そっと私の耳元で囁いた。




「そんなに抵抗しないでよ。もっと虐めたくなるから」




……ああ、この人ドSだな。そんな事を考える間もなく着いてしまった部屋、……Bスタジオとか言う割には見た目は全く普通のホテルの一室で、ただ大きなベットが部屋を支配しているような、そんな部屋だった。その大きなベットに投げ捨てられ、ぼすっとふかふかのベットに沈んだ私は即座に体を起こして逃げようとした、…だけど。



「逃げていい、って誰が言った?」



その言葉と同時に両手を顔の横で押さえ付けられ、体に跨がるように男の人が私の上に乗った。
……これ、…かなりまずくない?




「それじゃ、始めようか」



そう言いながら、男の人は私の着ていたブレザーに手を掛けた。





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