どサディスティック





メイドには相応しいだろ?
そう言って笑う恭弥さんに、私は首を傾げた。
奉仕、…って何。




「おいで、なまえ」

「………」



無言で恭弥さんの元まで歩み寄り、そして止まった。彼はというと、かちゃりとベルトを外して、……おもむろに、大きなアレを取り出した。



「!!!」

「何驚いてるの?…それとも、喜んでるとか?」



んなまさか。
これには嫌な思い出しかない、見るだけで眉を潜めてしまう。喜んでるなんて、以っての外。
の、はずなのに。



「………」




下腹部が、蠢いている。
どうして、あつくなってるの。
それに気付いたのか気付いてないのか、恭弥さんがくすりと笑いながら立ち上がった。




「じゃあ…膝立ちになって」

「……?」



訳が分からないけど、言われる儘私は膝立ちの姿勢をとった。そうすると、ちょうど彼の男性器が私の顔の前に。
……ま、さか。




「さぁ、気持ちよくしてよ」

「……え、」

「君の口は何の為にあると思ってるの?」




え、いや、少なくともこんな行為をする為ではないと思いますけど。
でも上から私を見下ろす冷たい瞳を見ていると、まるで本当に私の口が彼に奉仕する為にあるような気がしてくる。
ていうか、怖いから、マジ。



「………、」

「…やり方も知らないの?ああ、君は新人だったね」

「…すいません……」



何で謝ってんの、私。



「まずはちゃんと聞いて。『ご奉仕させてください、ご主人様』って」

「(えー!!?)」

「ご主人様がいいって言ったら始めるんだ」



ちょ、そんな恥ずかしい事言うの?本当に?
じゃあさっきから視界の端で笑いを堪えてる姐さんは何なんだろう。



「早くしなよ、舐めないと自分が辛いだけだよ。それとも君も僕も濡れてないまま突っ込んでほしいのかい?」

「!す、すみませっ」




それは確実に痛いだろう。どうしよう、でも、あんな恥ずかしい事、言わなきゃいけないのか。人間としてどうなのか、って台詞を。
私が迷ってる間にも上からの視線は段々冷めていく。




「早く」

「っ……ご、奉仕…」




あ、やばい。泣けてきた。
でも、痛いのは、嫌。




「聞こえない」

「…っ…ご奉仕、させてください…ご、主人様……」



涙が溢れそうで、それでも必死に堪えて。こんな恥態、人前で曝すなんて。
その屈辱は余りに大きくて、……でも、見られてる感触に、私の身体は感じてる。




「…変態メイド」

「っ…」



私が疼く身体を抑えてるのを見通してか、恭弥さんが嘲笑まじりにそう言った。
帰りたい。
今すぐ帰りたいけど、多分今のはOKってことだから、シないと。



「……」



それでも方法が分からないのに変わりはなくて、私はとりあえず、ゆっくりとソレに舌を這わせる。瞬間、上から小さく声が聞こえた。
あれ、これでよかったのかな。



「…ちゃんと咥えてよ」

「…はい」



やっぱり駄目だった。
私は仕方なく口を開けて、恐る恐るそれを含んだ。
……大きい。
口じゃ、半分程しか入らない。




「何してるの。喉まで使うんだよ」

「ん゙ぅっ」




頭を掴まれて、ぐっ、と思い切り引き寄せられた。お陰で喉の奥まで入っていく男性器。
苦しくて、でも声すら出せない。



「舌と手もちゃんと使って。もっと美味しそうに舐めてよ」

「むぅッ…んん゙、」




美味しそうに、は無理だけど。
こうなったらしゃぶりつくすぐらいの気力で行こうかな。いや、それじゃ私変態だけど。



「んむ…っ」



凄く苦しいけど、その中で私は必死に舌を使って奉仕した。手はとりあえず根元を撫でて、時々先端を舌でつついたり。そうすると、上でまた声が響く。
この人、意外と感じやすいのかもしれない。



「っ…何君、中々じゃない。新人のくせに」

「ん゙っ…んぅ、ふ、」

「でも、」




僕は激しい方が好きなんだよ。
そう言うなり恭弥さんは私の頭を強く押さえて、自ら腰を前後に振り出した。
当然、その度に私の咥内のソレは激しい出入を繰り返す。



「ん゙ぐ…!ッん、」

「っは…」



喉に強く当たるそれは、はっきり言うと私にとって痛いものでしかない。息は上手く出来ないし、苦しい。
恭弥さんは、何だか気持ちよさそうだけど。



「んぅ゙ッ…!」

「苦しい?僕は気持ちいいけど」

「うっ…ん゙、」

「っ…まぁ、よくできたから、ご褒美をあげよう」



ちゃんと全部飲むんだよ。
その言葉の真意を悟った私は拒否しようとしたけど、それより前に、私の咥内に熱い液体が放たれた。



「ん゙ぅ゙う…!」



苦い。
とてつもなくそれは苦くて、独特な臭いがして、どろどろして。
思わず吐き出そうとした私の口を、恭弥さんが片手で封じた。



「僕はさっき何て言った?」

「っ…」



こんな苦いもの、飲めない。
でも恭弥さんに手を離す気はさらさら無いらしく、ただ鋭い目で私を睨むだけ。
また泣きそうになりながら、私はそれをこくんと喉に下ろす。口の中一杯に広がる味に、私はひたすら苦い顔をするより他なかった。
何度かそれを繰り返して、ようやくそれは全て胃へと落とされた。
口の中に、嫌な後味が残っている。




「口を開けて」

「う……あ…っ」

「…うん、飲んだね」

「はっ…っごほ、」

「お礼は?」




酸素を必死に取り込む私に投げ掛けられたのは、何だか信じ難い言葉。
……えーと、?




「『精液を飲ませていただきありがとうございました』、は?」

「な…ッ!」

「僕が優しいうちに言っておいた方がいい。今言わないと、次は股を裂くから」

「っ……」



裂くって。
それは痛いでしょ、絶対。それもプレイの一つなんだろうか。いや、絶対無理。



「ほら、またさっきみたいに泣きながら言ってごらん。そうしたら、もっと虐めてあげる」

「…………」




私、分かった。
この人、真性のドSだ。







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