やきもちじゃなくて
※またまた注意
「………でけぇな」
「ありがとう」
リボーンちゃんが目を覚まして、最初に二人が交わした会話はそれだった。
いや、そうじゃないでしょ。
「ちょいとお二人さん、そうじゃなくて…」
「リボーン、これお前の仕業?」
「どれ」
「お前が今凝視してるム・ネ」
「ああ。俺だな」
「そう。直せ」
「無理」
ツナが銃を向けて脅したけど、リボーンちゃんは全く動じずに銃を向け返した。おいおい、なんですかこの二人。異常だよ。異常なくせに、なんかこれが平常ですみたいな態度だよ。
あ、急激に帰りたくなった。
「ん?じゃあ俺は二度と男に戻れないと?」
「違ぇ。今すぐは無理だ、数日したら自然に戻る」
「数日、か……じゃあその間は寝てよ」
「ちょっとちょっと!!!寝てよ、じゃなくて!!」
「何」
「困るでしょ、色々!!数日の間って、どうすんの!」
「あ、そうだ。ヤれないじゃん」
「…………」
あくまでそこか。
「ヤればいいじゃねぇか、別に」
「……は?」
「女同士だろうがヤりゃあいいじゃねぇか。挿れるもんがなくても出来るぞ」
「…………」
「ちょっとツナ、考えないでよ!!何『それいいかも』みたいな顔してんの!!」
「……なまえ、」
「い・や・で・す」
「…何で言いたいことわかった?」
「(わかるわ!!)」
「じゃあ俺が相手してやろうか。女側の立場味わえるぞ」
「……………」
「ちょっ、真剣に考えるな!!」
また『それいいかも』的な顔をして考え込むツナの頬をぺちぺちと叩いて、あたしはツナを現実世界に引き戻した。やばいやばい。リボーンちゃんとツナがしてるとこなんか、見たくない。
ようやくツナははっとして、開口一番にこう言った。
「お前、赤ん坊じゃん。ヤれなくね?」
そ こ で す か 。
「別に挿れるモンがなくてもヤれるっつっただろうが。テクはあるぞ」
「ならいいや」
「いいの!!?」
「だって考えてみろよ、女側になって食われるとかそうそう出来ない経験じゃん」
「……それは…まあ…」
「じゃあツナ、脱げ」
「(今からーー!!?)」
「ん」
「え、ちょっ」
「俺はすげぇぞ、どんな強情な女も堕としてきた」
「ちょっと、」
「ふぅん、楽しみにしてるわ」
「す、ストップ!!!」
あたしの叫び声に、既に横になっているツナとその上に乗ったリボーンちゃんは同時にこちらを見て、ニヤリと笑ってこう言った。
「「交ざりたい?」」
「交ざりませんっ!!!」
駄目だ、こいつら。
あたしはくるりと踵を返して部屋を出た。
もうどうぞ勝手にセックスでも何でもしててください。
あたしは関与しないから。
やきもちじゃなくて、呆れ。
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