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◆Before
6

上下に扱く男の指が包皮をずり下げ、剥き出しになった敏感な先端をつと撫でる。
それだけで下肢を跳ねさせる雪也を哂い、乱暴に鈴口をえぐった。
口をつく声は悲鳴に近い。

自由になる手で男の腕を掴むが、刺激を与えることをやめる様子はなかった。

沸き上がる奇妙な感覚。

「っや、へん…っ変…っ」

涙をこぼして髪を振り乱す。

「やだぁ…や…っ」

ただ解放されたくてがむしゃらに暴れた。
それを男は力で押さえ込み、非情に手の動きを速めて追い上げていく。

「やっや…っ何か出ちゃ…っ!」

「ほら、いい子だ」

抗えない熱の波が押し寄せる。
目の前の景色が消えた。

「っやあぁ…っ――――」

止める術もなく、白濁が自身から滴る。
一瞬呼吸さえ止まり硬直した身体が男の腕の中でびくびくと跳ねた。

ようやく弛緩すると背後の男の胸の中に崩れ落ちる。
浅い息をつきながら余韻に四肢が打ち震え、全て搾り出すように未だ自身へ与えられる刺激に掠れた悲鳴をあげた。

肩で息をつき、ぼんやりとした視界の中で焦点が定まってくるとあまりの仕打ちに涙が込み上げてくる。
ぽろぽろと泣き始めた雪也を見て男が嘲るように笑った。

「泣くほど気持ちが良かったのか?初めてなのにこんなに出して」

白濁を確かめるように指にからめ、腹に頬に塗りつける。
萎えたそれをつまみあげると手の中で悪戯に弄んだ。

「っ…ふ…ぅ…っ…」

「いやらしい声まで出して、淫乱が」

わからない言葉に嗚咽を噛み殺す。
わからなくとも詰られている事だけは悟った。

「雪也は変態だと言ってるんだよ」

「…っ……」

きっと普通じゃない行為。
普通じゃない身体。
けれど、おかしいと言うならこんな行為を強要する男だってそうだ。
溢れる涙を止められないまま唇を噛み締め、けして口には出さなかった。

けれど、一瞬にして空気が凍りついたのが分かった。

「っ――!」

声にならない悲鳴。
後腔に突き立てられた中指。
男が鼻で笑う。

「淫乱な雪也はここに捩込まれたいか?」

言いながら容赦なく中を掻き回され、声もなく首を振った。
指一本と言えど本来受け入れる機能を持たないそこは、突然の異物の侵入に強い痛みを訴える。
しこりを数回叩きつけびくびくと跳ねるのを楽しんだ後で、乱暴に引き抜くと床に突き落とした。

「なら、ちゃんと教えただろう」

「……」

身体を起こし男の股間に目を向ける。
逃げ出したい気持ちを抑えこんで観念すると、顔を埋めてファスナーを唇で挟んだ。




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