◇Other
8
「…あ……はぁ…」
漸く尚も絶頂に達した所で、ぐったりとシーツに沈み込んだ佐々原に、窺うように背後を振り向いた。
目が合ってもただ頷いて見せるだけで、どうやら続けろということらしいと解釈する。
とは言っても。
未だ抵抗を捨てきれずにいるこちらの代わりに、尚が佐々原の両脇に手を入れて抱き起こした。
「寝るにはまだ早いんだよ」
鬼畜。
「…っあ…」
佐々原は微かに呻きながらも不自由な両手をシーツに付いて、ふらつく上体を支える。
演技じゃない。
のに。
上目使いでみつめる瞳は潤んでいて、半開きの口元にはまだ自分の吐き出した精液が垂れている。
煽っているようにしか見えなかった。
割り切ってしまえば、ここまで出来るものなのか。
「…ほら、高木さんに見せてやれよ」
高木って誰だよ、などと内心ぼやきながら、教えられたセリフを吐いてベッドヘッドに凭れた。
佐々原はこくんとひとつ頷くと、自分からこちらへ乗ってくる。
またすっかり勃ち上がっている自身を佐々原の後孔に宛てがえば、正面のカメラを向いて両手を付き自ら腰を沈めた。
「…っん…あっあぁ…!」
全て飲み込むと力尽きたように背中を預けてくる。
両足を開くように抱えてやり、深く突き上げた。
前で揺れている、華奢な身体に合った佐々原の自身。
それを、尚が扱き上げる。
「やぁっぁ…あっ…はぁんっ」
突き入れる度、佐々原の鳴き声に合わせて卑猥な音が響いた。
結合部から溢れてくる生温い液体が先に出した尚のものだと思うと気色が悪いが、佐々原の中は驚くほど熱くて。
バイブをあれほど簡単に飲み込んでいたそこが、今はキツく締め付けてくる。
「はぁっあ…っみて…高木さ…っ!」
あの綺麗な顔が、快感に歪んでいる。
全部見られているだろ。
カメラにも照明も音声も周りの男達全員。
あのエロ親父にも。
「…っ…イイよぉ…っ」
売り出されたら顔も知らないどこかのホモ野郎にまで見られて。
頭ん中で好き放題犯されんだよ。
「…あっやぁ…や、イっちゃうっ」
「っ…イけよ」
何してんだよ。
佐々原。
何やってんだこんなとこで。
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