ペインが酷いめにあっているマダコナ




マダラは体中が痺れるような喜びに浸っていた。彼の腕の中には重症の傷を負ってはいるが大事はない、愛しい愛しい女がいたから。

「小南、大丈夫か」
「ま、だら・・・・・・」
「傷が心臓と逆側でよかったな。治療すれば助かる」
「ペイン・・・・・・ペインは・・・・・・?」

「・・・・・・あいつは」

マダラは言いかけるとある方向へ指を差した。其処には見るも無残なオレンジ色の髪の毛の男が横たわっていた。
男はぴくりとも動かず、死んでいるようだった。

「ペイン・・・・・・」
女はそう呟くと目を瞑って瞳から一筋の雫を零した。マダラはそれすらも愛おしく思い、彼女の涙を拭ってやると、自分の顔を覆っていた面をはずした。

「小南、大丈夫だオレがいる。九尾はオレが殺すから・・・・・・ペインの為に」
「マダラ・・・・・・」
「お前は目を瞑っていればいい、次に目を開けるときは世界はオレ達のものだ」
「ありがとう・・・・・・」

女はそう呟いて目を閉じた。スーと規則的な呼吸をマダラは感じて彼女が眠ったことを悟る。

「クク・・・・・・ククク・・・・・・ハハハ!!」

女の白い頬を撫ぜながらマダラは込み上げてくる笑いに耐え切れず声をあげた。そんなマダラの声にも気付かぬほど女は深い眠りについていた。

マダラは懐から血がこびり付いたクナイをそっと出し、女が愛する死体の方へと投げつける。クナイはドツっと嫌な音をたてて地面に突き刺さった。


「クク・・・・・・!」

嗚呼、可笑しくてたまらない。あの男の最期の絶望に満ちた顔も、自分に心を許した小南の安らかな表情を思い出すと笑いが止まらない。
未だ眠りにつく女の青白い額に口付けを落とすとマダラは女を抱えたまま歩き出す。



嗚呼、これで二人きり

ふたり





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