若干パラレル含んでます




「手ぇ繋ごう」
「ああ」

砂にも桜が咲き始めました。ばいおてくのろじーというもののお陰らしいです。今まで砂漠だったところに、つい最近タンポポが生えていました。

「きれいだな」
「そうだな」

増築された縁側から、庭に植えてある桜の木を二人で見ています。こうやって二人で見るなんて久しぶりです。カンクロウは眠たいのか私の方に寄りかかって繋いでいる手をさらにきつく握りました。

「オレ、テマリの弟でよかった」
「私もお前の姉でよかった」

わたしたちは小さい頃からお互いが大事だった。一番近くにいてくれたのが、他でもない弟でした。カンクロウも、また同じようです。

「我愛羅をよろしくな」
「まかせておけ」

二人にとって我愛羅は宝物だったから。大切な大切な末弟を置いていくのが、カンクロウにとって心残りなのでしょう。


「桜、きれいだなー・・・・・・」


そういったきり、カンクロウは何も言わなくなりました。繋いでいて手の力が抜けていって、太陽のように暖かだった手も冷たくなっていきました。私は肩によりかかっているカンクロウの頭を撫でて、春の空気をいっぱい吸い込みました。




「桜はな、散った後も美しいんだよ」



ヒラヒラと、桜が散っていきます。

春のあの日、あなたは逝ってしまいました。



きっと、この手とあなたの掌が、離れるようなことがあろうとも、私はあなたの優しい体温を忘れはしないから。ずっと、ずっと残り続けるから。


あの桜の花びらのように


幽か







あきゅろす。
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