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pdr
※酔狂(新御)
※未来捏造


 アルコールには強い方だと自負している。二十歳を超えてすぐ大学の飲み会で初めて口にした。周囲が酔って行くのをどこか冷えた頭で見ていた。プロになることを意識している限り飲みすぎて間違いがあってはいけないと飲みすぎることはしないが比較的量を飲んでも酔ったという感覚を覚えた事はなかった。
 それが今はどうだ。ぐらぐらと視界が揺れ、正常な判断ができない。目の前で大切な人が泣いているというのに理性が働かない。
 強くはないがそれでも必死に暴れる拳が何度も肩や頭を叩かれて痛みがある。どんなに暴れてもやめる気にはならなかった。
「いっ…ぁ、いたい、痛っ、ややぁ…」
 逃げようともがく体を押さえつける。俯せになり枕に押し付けらた顔からくぐもった声が漏れた。呻く声に頭が痺れる。

 一人暮らしを始めたと言う御堂筋の家に来て、成人したんだからせっかくだし一緒に飲もうと持ってきたビールやチューハイを開けていた。
 言うつもりはなかった筈の好意を口にして、おかしいと思った時には押し倒していた。
 好きだよと告げた時間違いなく御堂筋は嫌そうに顔を顰めていたが手首を掴んで床に引き倒した時、彼はほとんど抵抗しなかった。正確にはできていなかった。慣れていないアルコールを口にした御堂筋の身体は自由を失っていた。
「あっ…はぁ、」
 合意の上でないと頭では解っていた。抵抗できないのがアルコールの所為だという事も十分理解できている。理解しながら抵抗の弱さは合意してもらえているのだと都合のいい解釈をして身体を暴いた。
「い、やや、やっ…」
 慣らすものが見当たらず、果肉の入ったカクテルを手に取った。アルコール度数は低めだが粘膜に直接塗りこめば危険な筈だ。
「あっ、あ、あ」
 してはいけないと知っていることを止めらないのが酔いなのかもしれない。ぐちぐちと熱い内側を広げる。粘膜に塗りこまれる液体に声が震えた。
「ひぅっあっ」
「すき、」
 指を二本挿し込み、広げる。隙間に残った液体を注いでまた掻きまわす。暴れる体を押さえつけ、何度も繰り返した。
「すきだ」
 熱を持った体が動かなくなる。熱い肌を優しく撫で、首筋に唇を当てた。強く吸うと、アルコールで赤くなった肌に更に濃い鬱血が残る。たまらなくなって痕を残したそこに噛みついた。赤い痕を囲うように歯型をつけて興奮で腰が震えた。意識が曖昧になっている体の腰を持ち上げて昂ぶっている自身を押し込んだ。アルコールが回っていると起ちあがらなくなると誰かに聞いた気がするが自分には当てはまらないのか、とぼんやり思った。或いは、思っている以上に酔っていないのかもしれない。
「はっ…あ、おっき…」
 指と比べ物にならない質量にまくり上げた裾から見える肌が赤く染まった。
 脱力した身体は重かったが腰を抱えて粘膜を擦る。気持ちのよさにすぐにでも達しそうになるがすぐに終わってしまうのがもったいないので欲を抑えた。過敏になったそこを押さえてゆっくりと揺する。貫かれる痛みに、意識は消えかけているが反射で御堂筋の声があがった。
「はっ、…ぁん、ん、う、ん」
 掴んだ腰から前に手を回して触れた性器は反応していない。彼はアルコールがすっかり回っている。
「や、やぁ…」
 力を持たない性器を強く握って揉みしだいた。肩が跳ねて、痛みに意識を戻した体が床に手をついて前に逃げようとする。尚強く握り、皮に包まれた先端を親指で押しつぶすと悲鳴が上がった。
「ぴあっ、あぁぁ!」
 背中が丸まり、額を床に押し付けて御堂筋が泣く。ぞくぞくと背筋に快感が走ってほとんど動いていないのに熱い粘膜に包まれたまま射精した。
「は、ぁ…」
 精と共に息を吐いて丸まった背に頬を寄せる。気持ちいい、と何度も呟いて腰を揺する。吐きだした精が溢れて鍛えられた腿を伝う。
「い、やや、やっ ぁ」
 汗と精液、少しの血の匂いで興奮する。アルコールの香りは気分を昂める要因にはならなかった。
「や、ぁ…」
「きもち、い。御堂筋くん、すき」
 もっと言うべきことがあると思うのに、言葉が出ない。好きだから押し倒して犯すなど最低の暴漢だ。同意を得られない以上強姦でしかないのに謝罪も贖罪も思いつかない。ただただ気持ちい、好きだ、と繰り返すしかできなかった。
「みどうすじ、くん」
 ごめんと言うべきだ。ひどい事をして悪かったと。
「すき…すきだよ」
 薄い身体が逃げようともがく。肩を掴んで逃がさない様に床に強く縫い付けた。
 くらくらと視界が揺れる。頭に血が上り顔が赤らんでいるのが自分でもわかる。酔っている、とそう思った。
 彼の中に埋め込んだ性器は未だ萎えていない。気持ちよくて眩暈がする。
 酔った勢いとはこういうことなのだろうか。快感に痺れる腰が動くのを止められない。
「んっ、みどう、すじくん、また」
 押さえつけた肩から耳元に顔を寄せて言う。いやや、と小さく首が振られるが耐え切れずにもう一度射精した。
「は、すき」
 眩暈がする。
 汗の香りを吸いこんで肩口に歯を立てた。
 酔っているとすればアルコールではなく、彼にだ。気持ちよさに目を閉じ、もう一度好きだと呟いた。
 

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