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※求華/和の文字パレット弐(新御)
和の文字パレット(https://twitter.com/needbeen_s/status/5121222791576944641)使用させていただきました。
前後も落ちもないです
18二藍色/侘助/愛しあう
恋とは求めるもので、愛は与えるものだとどこかで聞いた。
新開隼人は、あの夏に御堂筋翔から多くを与えられた。代わりに彼に何かを与えられるだろうかとずっと考えていた。
自身が美味いと感じる物を差し出しても、彼によく似合う色の服を贈っても少しも喜ばれなかった。与えられるという実感は少しも得られなかった。
「は、ぁ、あ」
がくがくと震える膝が崩れ落ちるのは時間の問題だ。
「恐がらなくていい。力抜いて」
脱力して崩れ落ちても、ベッドの上に体が倒れるだけだ。震える腰と丸まった背中のおかげで身長の差も気にならず背後から耳を食める。
「ぁ、ぁっ」
分厚い唇で触れるだけで薄い身体が痙攣した。
「ほら」
「ひっ―ぁ、アぁあッ」
胸に回していた腕を優しく腹に下ろす。筋肉のついた、けれど薄い部分から更に掌を滑らせた。下腹部の奥で響くモーター音を確認するように強く押す。
「ア、ァっ〜〜っ」
喉を反らし、大きな口から唾液と舌を垂らして御堂筋が叫ぶ。性器や前立腺を刺激するよりずっと強い快感を与える位置を学び繰り返し弄り続けた。その場所で快感を得られるようになってから、御堂筋は新開から逃げるようになった。
「ひぅ、い、―」
拒否の言葉を聞きたくなくてベッドに押し倒して唇を貪る。逃げようともがく太腿に乗り上げてもう一度下腹部に掌を置く。至近距離で合う瞳から涙が溢れる。
夏が終わり、秋が来て、冬の訪れを報せる花が咲く頃、ようやく新開は彼に与えられるものがわかった。彼が知らなかった快感と悦び。怯える顔を見て本当に知らないのだと感心して感動した。
射精だけで意識を飛ばしていた身体を徐々に慣らし、前立腺も開発した。与えることができた喜びは貪欲になり、もっと与えたくなった。
「ひ、いぃ、ぎっ ぁぁ」
与えてもらったものを返すにはまだ足りない。ペダルを回し続ける限り新開は御堂筋に与え続け荒れる。どれだけ与えても返せない。
愛しているよと囁き、触れる手に力を込める。早く彼に全てを返さなくては。
2015/11/18
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