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※とけるとろける(東御)
※東御初ネタ5個目
※前後も落ちもなくやってるだけ


 時間をかけて解かした甲斐あって傷をつけずに済んだ。それでも受け入れるための器官でない箇所はぎちぎちと締め付ける。熱のこもった息を吐き、強張った身体を宥めるためにできるだけ優しい声をかけた。
「大丈夫か」
「だい、じょうぶなわけ、ないやろ」
 楽な姿勢だと聞いたので腰だけ上げて俯せたがシーツを握る手は時間が経つごとに力が籠っていく。今にも食い込んだ爪が掌を傷付けないかとひやひやする。
 何度か戯れに触れた事はあるが挿入は初めてだ。キツい締め付けと暖かい内側にすぐにでも乱暴に揺さぶりたい衝動に駆られるが苦しげな吐息が耳に入り残った理性を必死に繋いだ。
「ぅっ…は、ぁ」
 異物感に慣れようと息を吐く姿が健気で胸がきゅうと鳴った気がした。
 どちらが上になるか話し合うまでもなく東堂が御堂筋を抱いたのは彼の身体が原因だった。勝利への執着を持ち続けるのは、それだけで十分一つの才能だ。才能の代償とでも言うように、彼の身体は雄として不完全だった。
「ひっ…?!」
 先走りを滴らせてはいるが芯を持たない陰茎を握ると耐えていた吐息が悲鳴に変わる。恐らく排泄以外で触れた事のない部分。他人の手から与えられる刺激がすぐ快感になるとは思えなかったが触れられずにはいられなかった。
「ん、ぅ、や」
 制止の声は聞こえないふりをする。ひくひくと動く鈴口に触れれば嫌がる声はますます大きくなる。身体に見合わない大きさの性器は片手で十分な刺激を与えられる。ほとんど張のない先を包み込み、一度放した尿道口にもう一度指を当てた。
「は、ぁっ!そ、こ、イヤや、や」
 力の抜けた手が東堂の手の甲を抑えたので逆に掴んで自分の手で刺激するように導いてやる。震えていた身体が大げさに跳ね、力の加減も出来ずに敏感な箇所に触れてしまった手から腕、肩がびくびくと痙攣する。内側も反応し、埋めていた性器も強い刺激に耐え切れず腰が震えた。
「ぁっ、や、まだ、動…っひぅ」
 汗のにじんだ薄い背中が反らされる。泣き声に似た悲鳴に謝ったつもりだったが声が出ていたか自信はない。興奮し上がった鼓動と吐息に聴力が支配される。僅かに聞こえる愛しい声をもっと聴きたくなり夢中で腰を振った。体を倒し、声に近付く。ひっくり返った悲鳴に、動いたせいでいい場所を刺激したのだとわかり口が歪んだ。明確な表情はもう作れない。力の入らないだらしない口元から垂れる唾液が骨の浮いた背中や項に何滴も垂れる。唾液と同じに無意識に零れる声は聞こえてくる喘ぎよりもずっと情けないと自覚しながら止められない。笑みを含んだ気持ちの悪い声だと解るのに、その声で恋人の名を何度も繰り返してしまう。
「みど、すじ」
 快感と幸福感で徐々にろれつが回らなくなってくる。
「ぁ、あっ、あっ」
 打ちつける速度に合せて切羽詰った声が重なった。導かれた手で自身に触れたままの御堂筋は俯せた身体を肩で支えていて苦しそうだ。何度も内心で謝りながら、限界を感じて骨ばった肩に額を当てる。
「ふ、…く、ぁっ…も」
 まともな射精のできない性器が、内側で達した物を敏感に感じ取って控えめに精液を零した。垂らした証は少ないものの慣れない絶頂にがくがくと震える。
「ぁっぅ、ぅぁ、ぁ」
 受け止めきれない快感に、まるで陸の上の魚のように口を開閉する姿は一度吐き出し落ち着いた熱を再び上げるには十分だった。
 未だ痙攣しっぱなしの腰を掴み直し、抜けかけた性器をゆっくり沈める。半分意識の飛んでいる体は反射で僅かに跳ねただけで抵抗は見せなかった。
 悪い、と今度ははっきりとした声で、しかし心は込めずに告げた。

2015/09/08

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