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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(7)-5
「あの、お父さん、さっきも申しましたが、僕達はただの…」
「いえ、芥川さん、私はあの子の、仮にも親です。あなたはともかく、恭平の心くらい分かります。あの子はあなたに惹かれています、それも、ものすごく。あなたも本当は分かっていらっしゃるんでしょう?」

 僕は驚いて、しばし絶句してしまった。だが、凌はそれほどでもないように僕には見えた。僕達は顔を見合わせた。

「いえ、僕達は…」
「恭平は、裕紀よりももっとクールな子です。何があっても、まず顔色を変えません。それが、さっきはずーっと真っ赤になっていて、碌に弁解もしない。あの子は昔から、図星を指されると弁解せず真っ赤になるのです。」
 僕は、それこそ、愕然としてしまった。

 これが恭平の「苦しい恋」!?

 僕は、なんて言っていいのか分からず、凌を見た。凌も困った顔をしていた。だが、彼の目は「あくまでも否定しろ」と言った気がした。僕は、精一杯の力と勇気とを振り絞って、恭清氏に言った。


「あの、お父さん。恭平さんは女性にとてもモテますし、結構プレイボーイなんです。今日、真っ赤になってたのは、単に僕が恭平さんのお母さんに似ているので、照れくさかったんだと思います。」
「そうですか。なら、取り敢えずはそういうことにしておきますか。
 ともあれ、さっき裕紀とも話したのですが、あの子が心から好きになった人なら、仕方ないと言っていたのです。あの子は誰からも愛されなかった分、人を愛することが出来ない子なのです。そんな恭平が誰かを好きになったのなら、それが誰であろうと、私には止める権利はありません。
 すみませんでしたね。あなたのことは、先ほどの恭平を庇う様子を見て、そう思ったのです。」

 僕は目眩がしてきた。心臓も、さっきからうるさいくらい鳴っているし、また涙が出たらどうしよう、と困ってしまった。

 何だか、話が全然違う方向に行ってしまった。凌は黙っていてくれている。

「あの、すみません、後でまた来ても宜しいですか?
 あと、どこか小石川君と二人で話せる場所があれば…」
「隣が私の寝室です。あそこなら、この時間は誰も入ってきません。そこで、どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」

 僕は立ち上がって、凌と一緒に恭清氏の書斎を辞し、隣の寝室に向かった。

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