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◆青山恭平の事件簿◆
第7章 初めての現場検証-1
第7章 初めての現場検証


 その時である。インターホンが、鋭く、しつこく鳴り響いた。モニター画面を見ると、一人の少年が写っている。ドアを開けると、彼は息を切らせて入ってきた。

 高校1〜2年だろうか。金髪に近い茶髪で、あまり大柄ではない、おとなしそうな印象の少年である。

 僕と恭平とを交互に見比べて、
「どちらが青山先生ですか?」
と聞いた。みかけによらず、知的な口調だった。
「私だが。」
恭平が答えた。
「青山恭平先生ですね。僕は藤井さんのアパート『コーポ如月』の管理人の息子で如月丑松(きさらぎうしまつ)といいます……」

 少年があまり息を切らしていたので、恭平はグラスにミネラルウォーターをついでやった。少年は一息に飲み干すと、言った。

「ふ…藤井さんが殺されたんです。」
「何だって!」
 僕と恭平は殆ど同時に叫んだ。恭平は真っ青になった。10時である。
「いつ?」
「く…9時40分頃でした。
 でも、最初は銃声かどうか解らなかったんですが、上で、あ、藤井さんの部屋は管理人室の真上なんです。それで、二階ですごく大きな音がして、父と一緒にすぐ二階に行ったんです。ですが、いくら呼んでも開かないんで、父が合鍵で開けて入りました。そしたら、藤井さんが血だらけで倒れていて、辺り一面血の海で、傍に電話と置時計が落ちていて、その時計では9時20分だったんです。藤井さん、心臓と反対の右胸を撃たれていて、それでも虫の息で、僕にあなたのところへ行ってくれって…」
「まさか、自殺か…?」
「いえ、違います。辺りにピストルはないって、父が…」
「警察へは?」
「知らせてあります。」
「ありがとう、すぐ行こう!」

 三人はタクシーを拾って乗り込むと、急いで藤井氏のアパートへ飛ばした。

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