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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(4)-7
「あのさ、恭平。」
「ん?」
「僕は?」
「光?」
「僕の前では、どう?自分を作らずにすむ?落ち着く?休まる?」
 恭平は暫く僕の目を見ていたが、またベッドに寝転がって、天井を向いてしまった。そして言った。
「いや、落ち着かないし、休まらないな。」
「え、ホント?」
僕は焦った。

 やはり、人格がすっかり形成されきってから出会った僕には、気を使うのだろうか?

「うん。手ぇ出そうかどうしようか、ひっぱたかれるかな、とか…」
「恭平!もう、スケベ!
 信じらんない!何が『気が弱い』だよ?今まで言ったことは、全部、僕の同情を引くための嘘だったんだろ!」
 僕は怒鳴った。

 でも内心は、違う意味で嬉しかった。恭平がこんな風に、自分の心の内や弱みとも思えることを口にするなんて、今までは考えられなかったからだ。

「ねえ、恭平。君もいい加減、再婚しろよ。いつまでも独り身じゃ、体に毒だぜ。」
「いまだ結婚経験のない光には、言われたくない。」
「僕は恭平みたいに、煩悩がないからいいんだよ。」
「はいはい。どうせ俺は『スケベの変態』で『ブラコンの推理オタク』だからね。」
 僕はクスッと笑って言った。
「少しは、自覚した?
 じゃあ、資料室に行くよ。」


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