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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(4)-5
「てか、君が一人で部屋にいるなんて、今まで滅多になかったからだよ。」
「そういえば、そうだ。助手が増えて楽が出来るかと思ったけど…」
「班分けとか指図とか、結構、大変そうだね。」
「まあね。」
「ずっと、凌と二人きりだったんだろ?そこに僕や葛山君が増えただけでも大変だったのにね。」
「ああ。なんか、数時間で結構疲れた。
 俺、根が気が弱いからさ、人間関係とか面倒なの嫌いでさ。それで警察に入らずに、個人の探偵になったんだぜ。」
「えー、そうだったの?」

 嘘だろ?
 あ、でも、恭平はおとなしいんだっけ…

「ごめん、僕が全員雇うなんて言ったから…
 でもさ、僕は恭平の素晴らしさを一人でも多くの人に見せたくて…助手が僕一人なのが勿体無いって常々思ってたんだよ。」
 恭平は僕の方に顔を向けると、クスッと笑って言った。
「あれ、俺は『スケベの変態』じゃなかったっけ?」
「それは…」
「ああ、『ブラコンの推理オタク』だっけか。」
「わ…悪かったよ、恭平。
 でも、あれは君が、いくらふざけてたとはいえ、凌にキスなんかするから、つい…」
「だから、してないって言ったじゃない。」
恭平はそう言うと、また天井に顔を向けた。
「第一、俺が誰とキスしようが、君には関係ないことだろ。」
「それは確かにそうだけど…」

 僕は何となく、突っぱねられたような気がしてショックだった。恭平は時々そうだ。話していて、ある時点で、急に自分を囲ってしまう。その度に、いつも僕は寂しい思いをしているのだ。

「ねえ、恭平。『人間は一生に何人の人と交わるかで、天国行きか地獄行きか決まる』って僕はいつも言ってるだろ。僕は君に、天国に行って欲しいからさ。」
 すると恭平は、またこっちを見て、ニヤニヤして言った。
「そんな、死んでからのことなんかどうでもいいからさ。なんなら今夜、一緒に天国に行こうよ、光。」

 僕は真っ赤になった。だが、ともすれば恭平の誘いに傾きかけてしまいそうになる自分自身の心を叱責(しっせき)するが如く、僕は恭平に、わざときつい口調で言った。

「もうっ、何、それ?スケベ!!そんなことばっかり言って!」
「だって、しょうがないじゃん。君が越してきてからは、俺、ずっと監視されてるようでさ。碌に女の子と会ってさえいないんだぜ。欲求不満にもなるよ。」


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