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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(4)-3
 恭平は煙草を吸いたげだが、みんなに遠慮しているようだ。僕達だけの時は、平気でスパスパやるのだが。

「取り敢えず、9人は多いから3班に分ける。秀幸、安、」
「はい、」
「君達は小石川班だ。」
「分かりました。」
 心なしか、安ががっかりしているように見えた。
「葛山君、力哉、」
「はい、」
「芥川班だ。」
「分かりました。」


 僕と葛山君は驚いて顔を見合わせてしまった。僕達はこの半年間、先陣切ったことなどなかったのだ。しかし、そんなことを口にしたら徒(いたず)らに力哉を不安がらせてしまうので、おくびにも出せない。


「神谷、月子、」
「はい、」
「俺の班だ。」
「はい。」
「班分けは以上。何か質問や不満はあるか?」
 誰も質問も不満も言わなかった。
「では、事件の説明に入る。
 死亡推定時刻は今朝の午前7時から9時。聞き込みする場所は、一番目は、寺関係と寺の近所の人々。それと、隣の斎場には、一日中ひっきりなしに人がいるから、誰か何か見ているかも知れない。」
「はい。」
凌と葛山君が返事すると、他のみんなも一斉に返事した。
「はい。」


 恭平は続けた。
「あと、寺の裏門、北門ていうのかな。縦格子(たてごうし)の鉄の引き戸なんだ。で、道路から境内(けいだい)が良く見える。だから、裏の家々の人達からも何か聞けるかも知れない。以上が現場とその近辺だ。」
「はい。」
また、凌達に続いてみんな返事した。
「二番目は、ガイシャの身内。ホシ、犯人のことだが、身内にいないとは限らない。それと近所。隣人トラブルは、結構馬鹿に出来ないからね。」
「はい。」
「三番目は、ガイシャの交友関係。」
「はい。」
「四番目に、これが一番やっかいなんだが、二番目、三番目の家族や交友関係だ。ガイシャの友人の友人なんていうと、皆目見当がつかなくなる。これは状況によって場所も違うから、まだ何とも言えない。
 まあ、以上が基本的なところだ。」
「分かりました。」
「無論、我々が聞き込みをする必要があるかどうかは、まだ分からない。光ヶ丘西署の面々だけで事足りるかも知れないからね。取り敢えずは、鑑識さんの報告と解剖所見待ちだ。」
「はい。」


 恭平は、話題を変えた。
「で、ちょっとみんなに聞きたいんだが、この中で料理が得意な人はいるかな?」
驚いたことに、ソリッドが全員手を上げた。僕は思わず口走った。
「嘘だろ?」


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