[通常モード] [URL送信]

◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(8)-3
 流石に自他共に認める活字中毒の恭平らしく、僕達が戻った時、ソファに座って民訴の本を読んでいた。

 その恭平の顔を見た途端、僕は参った。さっきの恭清お父さんの言葉が戻ってきて、頭の中を縦横無尽にかけ巡り始めたのである。そんな僕の様子を凌が心配そうに見ている。


 僕は出来るだけ平常心で話した。
「恭平、お父さんのところでインタビューしてきたよ。」
恭平は本から目を上げずに、聞いてきた。
「親父、なんか言ってた?馬鹿にされただろ?」
「それがさ…」
その時、凌の携帯が鳴った。

 助かった!

「はい、小石川。ああ、じゃ、待ってろ、今から青山さんが迎えにいくから。」
 凌が携帯を切るなり、恭平が言った。
「だから、何で俺なのよ?」
「だって、光さんも私も、駅に行ったら戻って来れませんよ?迷子になっちゃいますよ?」
恭平はクスクス笑いながら言った。
「ったく、よく言うよ。東京の全地図、頭ん中にインプットしてるくせに!」
「どう致しまして。私と光さんは、まだ仕事が残っておりますんで。
 じゃあ、恭平さん、聞き込みされますか?」
「分かったよ。」
恭平は、大袈裟に肩をすぼめて出ていった。

 そんな恭平の背中に、凌が言葉を投げかけた。
「あ、恭平さん。これまでの経緯(いきさつ)を葛山に話しておいて下さいね。」


「凌、ありがとう、助かった。」
 凌はクスッと笑って言った。
「やれやれ、先が思いやられますね。本当に3番で行けるんですか?」
「取り敢えず、頑張る。一緒に住んでる強みで、多少は自分を作れるから。」
「それが一番心配です。あっさり白旗揚げそうで…」
「し…失礼だな。」
「でも、やっぱり3番が一番いいですよ。下手に口にして、もしそういう仲になってしまうと、いつか別れが来ますからね。
 何しろ、『結婚』という形式でしっかり結ばれた男と女でさえ別れてしまうんですから、何の拘束力もない結びつきは、脆いです。」
「凌ってさ、まだ独身なのに、たまに金婚式を迎えた老人みたいなこと言うよね。」
「そうですか。褒め言葉として受け取っておきます。」

[*前n][次n#]

40/123ページ


[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!