[通常モード] [URL送信]

◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(7)-4
「あの、これから話すことは、出来ましたら恭平には言わないで頂きたいのです。お願い出来ますか?」
「はい。」

 凌は頷いた。僕は、自信がなかったし、凌にチラッと見られてしまって焦ったが、話の流れ上、頷いた。

「実は…例の占い師に会ったのは、さっきの話の時が初めてではないのです。妻が恭平を妊娠した頃に、会っているのです。」
「そうなんですか?」
「ええ。その時、妻のお腹の子は妻の背景と運を背負ってくる。その子は、妻と命を引き換えに生まれると言われたのです。
 私は、そんな馬鹿な、と思いました。事実、母子共に健康に生まれました。ですが、その後、妻は産後の肥立(ひだ)ちが悪く、ずーっと病弱で、あとはご存知のように亡くなりました。私は…」

 恭清氏は、ここで大きくため息をついた。

「私は、馬鹿な男です。あの子、恭平の誕生から、私はあの子に何がしかの敵意を抱いていました。そして妻が亡くなった後は、あの子を憎んでしまったのです。私は妻の死に耐えられず、誰かを、何かを憎まずにはおれなかったのです。」

 僕達は何も言えず、ただ、聞いているしかなかった。

「私はあの子が誕生して以来、抱いてやったことさえ、一度もないのです。妻は病弱でしたから恭平に構ってやれませんでした。そして早くに亡くなって…
 裕紀は私に言いませんでしたが、私も一応、父親です。恭平の心の病気のことは知っていました。ですが、どうしようもなく…
 あの子が結婚したいと言ってきて、いずみさんを紹介された時は心臓が止まるかと思いました。妻に生き写しだったからです。ああ、こんなにも母を求めていたのだ、と…」

 恭清氏は、またため息をついた。

 恭清氏は、しばらく黙っていたが、また話し出した。
「ですが、子供も出来ないうちにあっさり別れてしまって…そして今度は、芥川さん、あなただ。加えて男性だ。私はもう、全身、震えてしまいましたよ、私の犯した罪の重さに…」

 僕は焦った。

 なんか、やっぱり、勘違いされてるようだ。



[*前n][次n#]

36/123ページ


[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!