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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(7)-3
「それが…あなたがさっき仰ったのとソックリな女の占い師です。駅裏の路地に構えていましてね。状況がソックリなのです。」
「そうですか。
 それで、それはいつのことですか?」
「妻が亡くなった直後にです。」
「なんですって?そんなに昔に?」
「ええ、ですから、同じ人だとは思えないですよね。」
「仮に同一人物だとして、現れる場所が不思議です。何で、あなたや恭平さんが来ると分かっているところに…?」
「そうですね。
 とにかく、それで私も家系図を見て…現代科学の粋を行く医者のくせして、非科学的なことに惑わされているようで些か恥ずかしいのですが…」
「それで、どうされたのですか?」
「妻が亡くなった時、息子達はまだ11歳と9歳でした。ですから再婚しようと思っていたのですが、家系図を見て、何となく、二人目の妻を娶(めと)るのはやめようと思ったのです。私の上の代の人達は、子供が生まれる前に奥さんを亡くしていますが、私は幸い子供が二人いましたんでね。『妻が二人』の状況は、取り敢えず、父の代で終わらせようと思ったのです。
 成澤君は、元々、家内の親友でしてね。それで、家内が病弱だから来て貰っていたのですが、引き続き来て貰うことにしたのです。」
「なるほど…いえ、全然、非科学的とは思いません。いや、寧ろ、その勇気に感服致します。」
「いえ、とんでもない。勇気なんかではないのです。私は…私は…」
 恭清氏は急に顔を曇らせ、右手で目を押えた。
「どうかされたのですか?」
「私は…」

 恭清氏は、言おうか言うまいか、散々迷っていた。言って楽になるか、それとも言わずに墓場まで持っていくか、本当に苦しそうだった。

「あなた方は、うちの仏間をご覧になって、どう思われましたか?」
「はい、凄いって驚きました。」
「私もです。あまりにも立派なので、絶句したくらいです。」
「あの部屋は仏間です。ですから先祖のためなのですが、私は殆ど恭平のためにあの部屋を作った、と言っても過言ではないのです。あの子が結婚した後、それこそ、仏に縋(すが)るような気持ちで作りました。
 なぜなら私は、恭平に、一生かかっても償えない酷い仕打ちをしてしまったからなのです。」
「…?」

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