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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(7)-2
 恭平の部屋から五間を経て、恭清氏の書斎がある。客室4部屋分だから、結構遠い。が、どうかかっても1分前後なので、もうドアの前である。僕はそれこそ心臓がバクバクいっていたが、凌はもうすっかり警視庁捜一の警部さんの顔になっていた。

 凌は僕を見て聞いた。
「光さん、ノックしますよ、いいですか?」
「うん、頑張る。
 でも凌、多分僕は、いるだけだからね。」
凌はクスッと笑った。
「ええ。
 ですが、少しは応援お願いしますよ。」
凌はノックした。
「はい、どうぞ。」
恭清氏の低いいい声が答えた。凌はそーっとドアを開けた。
「失礼します。」


 恭清氏は、窓を背にして、黒檀のシックな机の前に余りにもピッタリ座っていて、さながら一枚の絵画のようだった。机の手前の廊下側には、黒い革の応接セットが置かれていた。

「あの、今、お時間、宜しいでしょうか?」
「小石川さんでしたね。ええ、構いませんが、どうかしましたか?」

 凌はさっきとは打って変わって、キリリとしていた。

「実は、お聞きしたいことがありまして、今日はそのために伺ったのです。」
「それはそれは…何だか怖いですな。まあ、どうぞお掛け下さい。」

 恭清氏はそう仰って立ち上がると、応接セットの方へいらして座られた。僕達も座った。

「あの、これから私がする話は、あまりにも荒唐無稽で馬鹿馬鹿しいと思われるかも知れないのですが、青山さん…恭平さんの友人として、また警察関係の人間として些か興味を持ちまして、今日こうして伺った次第なのです。ですから、どうか真剣にお聞き下さい。」
「はい。」
「実は、ことの発端は昨日なのです。」

 凌は、例の占い師の一件を話した。僕は、恭清氏が「馬鹿馬鹿しい」と一笑に付すに決まっていると思っていたので、恐々と見ていた。


「なるほど、お話は良く分かりました。」
 その言い方があまりにも恭平と似ているので、僕は驚いてしまった。恭清氏は、しばらく考え込んでいた。
「すみません、下らないお話で…ですが…」
「小石川さん、」
「はいっ」
凌はいきなり名前を呼ばれて少しビビったのか、その返事には焦りの色が混じっていた。
「実は、私も全く同じことを言われたことがあるのです。」
「えっ、そうなんですか?誰にですか?」

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