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◆青山恭平の事件簿◆
第7章 恭清氏の証言-1
第7章 恭清氏の証言


「恭平さん。青山家で一番古い使用人の方はどなたですか?」
「えーと…あ、シェフの高杉さんかな。」
「シェフの高杉さんですか。その方は、今日はいらっしゃるんですか?」
「いると思うよ、今日のランチを作ってくれた人だから。毎日、夕食を作ってくれてたんだ。日曜は隔週で来てくれてた。今は変わったかも分からないけど…」
「え、じゃあ、何で分かったんですか?」
「味で分かるよ。今日のは高杉さんだ。」

 僕達は感心してしまった。

「へえ、凄いですね。よく、分かりますね。」
「20歳まで、殆ど毎日食べてたんだ。俺の、いわゆる『お袋の味』だよ。」
「なるほど。
 では、行ってきます。」


 凌がそう言った時、彼の携帯が鳴った。
「はい、小石川。なんだ、どうした。…ん?今、品川だ。…そうだ。…いや、駄目だ、寝てろ。…なんだって?」
凌は携帯を耳から離すと、手で押さえて、言った。
「恭平さん、葛山が来たいって言うんですが…」
「え、なぜだ?」
「いえ、あいつは今日非番で、退屈なんだそうです。」
「非番なら寝てろって言えば。」
「ええ、そう言ったんですが、もう起きていて、品川なら新宿から近いから来たいって言うんですよ。」
「別に構わんよ。」
「いいですか?
 よし、葛山、いいぞ、来ても。最寄り駅は…」

 凌は渋くキメたつもりらしいが、捜査の応援になりそうな人材の突然の来訪予定に、自然に顔がニヤけていた。

 恭平が、半分からかうように言った。
「しっかし、お前さん達、折角の休みの、それも日曜なのに、何やってるんだよ。馬鹿じゃないの?だから、女の子と出会えないんだよ。」
「恭平さんに言われたくありません。結婚されてたとはいえ、今は独りなんですから。」
「いや、俺はいいんだよ。家系図見たから、結婚できるもんね。」
恭平はクスクス笑いながら、僕の言葉を揶揄(やゆ)して言った。

「あの、恭平。お父さんは、恭清さんはどこにいるんだい?」
「多分、書斎。」
「どこ?一緒に来てくれよ。」
「え、やだよ。さっきの仏間の上の部屋が親父の寝室で、その奥が書斎。どっちかだろ。兄貴の部屋は俺の部屋の左隣。」
「じゃあ、行ってくる。恭平は家系図をもっとよく見ておきなさい。」
「あ、恭平さん。30分ほどしましたら葛山が来ますんで、駅までお迎えお願いします。」
「何で俺なのよ?」
「暇そうですから。」

 僕達は二階の一番奥の部屋に向かった。

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