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◆青山恭平の事件簿◆
第4章 恭平の本心-1
第4章 恭平の本心

 3時過ぎだった。
「恭平、3時回ったよ。どうする?」
「ああ、みんな来てるだろうからな。
 凌、葛山君に電話して、これから帰るって言ってくれ。」
「はい、5分後で宜しいですか?」
恭平が驚いて言った。
「馬鹿言うんじゃないぜ、凌。月子がいるんだ。俺が運転するよ。」

 え、恭平は滅多に運転してくれないのに、月子のためならするんだ…

 うん、いい傾向だぞ…

 月子が不思議そうな顔つきで言った。
「え、凌さんって運転乱暴なんですか?」
凌が、至極真面目な顔で言った。
「いえ、月子さん。そんなことはないです。私は安全ドライバーですから。」
恭平も僕もクスクス笑った。月子は、例のアン王女の微笑で言った。
「あの、凌さん。私は6歳も年下ですから、敬語や丁寧語は使わなくていいです。あと、名前も呼び捨てでいいです。」
凌は心なしか赤くなって答えた。
「いえ、そうは参りませんよ、お嬢さん。あなたは青山さんの助手で、私の部下ではありません。呼び捨てには出来ませんよ。」
「そうですか。じゃあ、取り敢えず、敬語はなしになさって下さい。あと、」
「ん?」
恭平が聞いた。
「私、普段、バイクで動いてるんです、400の。それもオフ・ロードでも行けるやつですから、多少の荒い運転、大丈夫ですよ。」
「400のバイク?」
僕達は3人とも唖然とした。
「あの、空手も二段です。ですから、私を女扱いしなくて結構です。」

 400のバイクに乗っていて、空手も二段だって!?

 およそ、このオードリー・ヘップバーン似のルックスの彼女から、今のことを想像出来る人が何人いようか。結局、凌は葛山君に「5分後」に帰ると電話し、事実、そうなった。男の葛山君でさえ凌の運転には息も絶え絶えだったのに、月子は全く大丈夫だった。恭平は始終、クスクス笑っていた。彼女の見た目とのギャップが相当気に入ったようである。



「ただいま。」
 4人で事務所に帰ってきたら、葛山君とソリッドのみんなが出迎えてくれた。
「お帰りなさい。」
安(淡路)が言った。
「葛山さんから聞きました。事件だそうですね。」
恭平が答えた。
「ああ、留守にしてすまなかった。」
座っていた安が立ち上がって、月子にソファを譲った。


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