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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(6)-5
「すみません、さっきはつい、ノリでああ言いましたが、私が動くのは難しいですね、正式な事件ではありませんから。」
「ああ、それはそうだよね。」

 僕はチラッと恭平を見た。
「俺は嫌だよ。」
「そんな、恭平…」
「だって、当たり前だろ?ここは俺の地元なのよ。うちに関する聞き込みとか、出来っこないよ。」
「でも、君は十代でここを出てってるから…」
「いえ、光さん。恭平さんは18の頃から、もう今みたいでした。」
「え、18の頃から35歳に見えてたの?」
僕はクスッと笑って言った。

 恭平は大袈裟に眉をひそめて、怒ったように言った。
「光、なに、その言い方?」
「だってさ…」
恭平は目に見えてうんざりした様子だった。
「光、もういい加減、勘弁してくれよ。今日、ここに来てやったんだからさ。それで許してくれよ。頼むよ。」

 凌が僕を見て、クスッと笑って言った。
「分かりました、光さん、こうしましょう。私が休みの日に調べます。それでいいでしょう?」

 凌は、僕の目に涙が溜まっているのに気づいて、譲歩してきてくれたようだ。

「凌、ありがたいけど…でも、それじゃ結果が出るのがいつになるか分からないよ。」
「じゃあ、私が休暇を取って調べましょう。それでいかがですか?」
「凌…」
「おい、凌、やめとけよ。」
「ですが、光さんが納得しないので…」
「お前さん、光のためなら、本当に尽くすのな。」
 凌は少しはにかんだようにクスッと笑うと、言った。
「別にそういう訳ではありませんが、泣かれちゃうとどうも…」
「ああ、光が羨ましいよ。女の涙ならともかく、男の涙で泣き落としだもんな。俺も泣きたいくらいだよ。」
「いえ、恭平さんが泣いても、私は痛くも痒くもありませんから。」
「はいはい、分かりましたよ。
 で、取り敢えず、今日はどうするんだ?」
「そうですね、取り敢えずは、家の中の聞き込みですね。
 恭平さん、何か覚えてらっしゃいますか?」
「いや、母は俺が9歳の時に亡くなったから。祖母も亡くなってるし…」
「じゃあ、取り敢えず、お父さんの恭清さんにお聞きしましょうかね。」
「やめてくれよ、親父に尋問かい?」
「いえ、言うなれば事情聴取ですね。」

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