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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(6)-2
 恭平は僕をじっと見た。そして、幾分頬を染めて言った。
「そうかもな…親父も兄貴も、お袋がいる気になったのかも。」
「そうかも知れませんね。
 ですが、それだけじゃない気がします。光さんて、なんかそういうものを持っているんですよ。」
「…だな。」
「そういうものって?」
「いえ、何て言いますか…光さんは、人を大らかにするっていうか本音を吐かせちゃうっていうか、なんか嘘が言えなくなるっていうか…」
「そう、なんか、見透かされているようでさ。」
「僕が?」
「ええ。聖母マリアってとこですかね。ついつい懺悔とか、しちゃいそうですよ。」
「畏れ多くて、凌もうっかり手ぇ出せないだろ。」
「青山さん、それは私の台詞です。」

 恭平も僕も、クスクス笑った。

「え、どうしたんですか?」
「いや、凌が強くなったと思ってね。」
「そうだな。そんなリアクションじゃ、俺もからかい甲斐がないよ。」
「そりゃ、良かったです。
 ところで光さん、さっきのお話は本当ですか?」
「え、何が?」
「まず、青山さんの試験のこと。次が、青山さんの結婚のこと。それからこの病院で働くということです。」
「そうそう。
 光、君ってさ、結構、口軽いよな。」

 僕は赤くなった。

「ごめん…
 だけど、恭平も悪いんだよ。何にも言ってくれないんだもの。僕一人に戦わせてさ。」
「それは、本当に面目ない!」
「光さん。だからって、出任せで答えたら、お父さんや裕紀さんに申し訳ないですよ。」
「え、僕は出任せなんて言ったつもりはないよ。家系図を見れば、何となく恭平は結婚出来そうだし…」
「そういうとこ、光って、賢いんだか馬鹿なんだか分からないよな。医者のくせに信心深いしさ。」
「うるさいな。
 あと、司法試験も本当だし、病院だって、僕が来て裕紀さん自身の時間が増えたらいいだろうし…」
「青山さん、試験目指すんじゃ、探偵事務所はしばらくお休みですか?」
「いや、そしたら生活出来なくなるから、続けるさ。」
「いや、恭平。探偵業の収入なんて微々たるものだから、休んだって大差ないよ。」
「何、それ?」
「だから、恭平、僕が当分仕事に打ち込んで君を食わせるからさ、君は勉強しなよ。」
「それが本当なら、寂しくなりますね。」
「凌、だからまだ分からんって。」

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