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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(4)-2
「じゃあ、大急ぎで済ましちゃおう。出来たら、食事も逃げたいね。」
「喉、通りそうもありませんね。」
「まずは成澤さんを見つけて、家系図の有りかを聞かなきゃ。」
「いや、それは大丈夫だ。仏間にあるから。」
「仏間?」
「うん、先祖代々のお位牌がある仏壇が置いてある部屋だよ。この応接間のもっと奥にある。」
「仏壇だけで一部屋?スゴいね。」


 応接間から出ると、左右に東西に伸びる長い廊下があり、東の端には非常口があった。
「懐かしいな。子供の頃、端から端まで何秒かかるかって走って、よく成澤さんに叱られた。」
「え、本当に?裕紀さんも?」
「いや、まさか。兄貴はそんなことしないよ。俺とハチやその辺の子供達だよ。」
「そうだよね、驚いた。」
「そうだ、また、走ってみようか?」
「え、マジですか?」
「いや、冗談だよ。また成澤さんに叱られる。」


 恭平は懐かしそうに、わざわざ非常口まで行ってから、回れ右して歩き始めた。映画なんかでよくある洋館のような家で、ホテルの通路のような立派な廊下の片側に、ドアがズラーッとある。僕達は長い廊下を、さながらピンクパンサーの映画のように、仏間目指して歩いた。迷子になりそうである。

「こんなにドアが一杯あって、分かるの、恭平?」
「大丈夫だよ。和室だからドアが違うから。」

 廊下の中央の南側にさっき入った玄関がある。北側に、幅広の階段が上に続いていた。恭平は立ち止まって、しばらくその階段を見つめていた。

 階段を過ぎると先ほどの応接間があり、その少し奥に二部屋ほど、ドアが格子戸になっている部屋があった。

 その奥の方の部屋を指して、恭平が言った。
「あそこだ。」
「なんだ。さっきの応接間の奥じゃないか。」
「だから、そう言ったろ。」
「非常口に行ったから、あっちの方かと思ったよ。」
「懐かしくて、つい、歩いただけだよ。」

 三人はそーっとその部屋に入った。恭平が電気をつけた。
「うわあっ」
凌も僕も思わず叫んだ。天井に届くかと思われるほど大きな金張りの仏壇が、片方の壁にあった。というより、壁全部が仏壇という感じだった。何だか圧倒されてしまう。

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