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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(3)-4
 ここで僕はまた、KY、いや、KYKになりそうになってしまった。その僕の気持ちを察して下さったのか、裕紀さんが口を開いた。

 相変わらず厳かで、ヒガシに似ていて、素敵だ…

「すみません、芥川さん。実はあなたは、僕や恭平の母に良く似てらっしゃるのです。母の娘時代に酷似しています。それで父も、一瞬あなたに見とれたのでしょう。僕も、大学で初めてあなたをお見かけした時、驚きました。」

 驚いたのは僕の方である。僕はてっきり、自分はいずみさんに似ているのかと思っていた。そういえば、ハチさんがそんなことを言っていた。

 つまり恭平の周りに、恭平のお母さん似の人間が、それこそ偶然二人揃った訳である。ならば、恭平が故意に探し出して一緒に住んでいると思ってしまうのは、親でなくても当たり前かも知れない。

 恭清氏が遠慮勝ちに言った。
「あの、芥川さん、小石川さん。私は『幸福な犬』を読ませて頂いたが、あれにそんな描写はありましたかな?」
「いえ、あれには…」

 僕は焦った。「封印を解くもの」も出すことにしてしまったからである。

「確か芥川さんは、『あきら』というお名前じゃなかったですか?」
「はい。」
「お父さん…」
 なぜか、裕紀さんが恭清氏を止めた。

 どうもマズい。完璧に誤解されているようである。

 恭清氏は、恭平から聞いてたのとは全然違う。頑固親父というイメージとは程遠く、背が180pくらいで、半白の髪をオールバックにし、話し方にも品があって、知的で、温厚で、俳優の児玉何とかのようだ。60歳でこんなにカッコいいのだから、若い頃はさぞかしモテただろう。というより、女性が放っておかない気がする。恭平のプレイボーイ的なところはお父さん譲りだ、と納得してしまう。

 そんな恭清氏の視線を感じて、僕は何だか緊張してしまった。

 恭清氏は、やっぱり親御さんだから聞かずにおれないのだろう、裕紀さんの制止を聞かず、僕に聞いてきた。
「あの、芥川さん。恭平が飼っているウサギのアキラとは…?」
 やましい訳ではないが、僕も耳まで真っ赤になった。でも嘘は言えないし、この場で恭平や凌に相談も出来ない。横目で恭平を見たら、下を向いたままである。恭平は家族には本当に弱い。

 ったく、頼りにならないんだから!



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