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◆青山恭平の事件簿◆
占い師VS青山恭平(3)-3
「だから、あれほど嫌だって言ったんだよ。彼女、兄貴だけお気に入りでさ。親父だって頭上がんないんだぜ。」
「だから、裕紀さん、あんなに上品なのか。」
「いや、あの人は元々ああいう人なんだよ。
 何にせよ、早く家系図見て、さっさと帰ろう。」


 そう言って立ち上がりかけたところに、裕紀さんとお父さんが入ってきた。恭平は一瞬にして固まってしまった。
「あ、お父さん、兄さん、おはようございます。すみません、朝から押しかけてしまって…」
「おはよう、恭平。何言ってるんだ、君の家だろう。さあ、紹介してくれ。」

 なんと、恭平のお父さんは恭平のことを「君」と呼んだ。何となく、カッコいい気がした。

「あ、はい。彼が芥川君、こちらが警視庁の小石川君です。
 光、凌、父の恭清(たかすみ)だ。」

 恭平は緊張していたためだろうか、あっさり「あきら」って言ってしまった。

「どうぞ宜しく。」
「こちらこそ、息子がいつもお世話になっております。」

 裕紀さんは兎も角、お父さんの恭清氏はそう言って僕を見た途端、顔色が変わった。恭清氏は、やはり僕に見入っていた。

「ゆ…裕美!」
「お父さん、違いますよ、この人は…」
 裕紀さんが言って、恭清氏もハッとした。
「そうですよね、失礼しました。」

 僕は訳が分からず、恭平に聞こうと思ったら、なぜか恭平はソファに座っていて、両肘を両膝について、両手で顔を覆っている。見ると耳が真っ赤になっている。どうやら顔も赤いようだ。

「まあ、どうぞ、お掛け下さい。」
 恭清氏にそう言われて、凌も僕も座った。恭平は、相変わらず顔を隠している。
 裕紀さんがクスッと笑って、恭平に声をかけた。
「恭平君、いつまでそうしている気ですか。お客様に失礼ですよ。」
「あ、はい…」

 恭平は手は退かしたが、やはり下を向いている。

 そこに成澤さんが紅茶を持って入ってきた。各々の前にカップを置くと、恭平が真っ赤になって下を向いてるのを見て、全てを察したように言った。

「あらあら、院長先生、仰ってしまわれたんですか?お可哀想に、恭平坊ちゃま。」
 一同、シーンとなってしまった。
「院長先生。こういう時は、恭平坊ちゃまがご自分からお話になるまで、待って差し上げるもんですよ。」
「それはそうかも知れんが、成澤君…」

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