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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(3)-3
「先生、青山先生…」
「どうした、月子?なんでここにいるんだい?」

 恭平は月子を抱いてやって、背中をトントンしながら言った。月子はしばらく泣いていたが、恭平のお陰で落ち着いてきた。

「ええ。さっき親戚筋から連絡が入って…近いから私が来ることに…」
「え、どういうことだい?」
 恭平は彼女にハンカチを渡しながら、優しく聞いた。
「おばなんです。」
「おばさん?亡くなっているのは、君の叔母さんなのかい?」
月子は恭平のハンカチで涙を拭くと、顔を上げた。
「いえ、正式にはなんていうのかしら、『大叔母』?祖母の義理の妹なんです。」
「じゃあ、ほとんど他人だね?」
「ええ。
 でも家が近いし、子供の頃からずーっと知っているから…」
「何で君が?」
「母は病弱だし、姉はいませんので…」
「お父さんがいらっしゃるだろう?」
「父は、例の事件以来、死人同様で…」
「そうか、あれからまだ一週間ちょいだからな。俺達は忙しかったから、もう随分経った気がしてたが…」
僕も言った。
「そうだね。」
「あ、昨日、言い忘れてました。お葬式の時は、お香典、ありがとうございました。」

 恭平は僕の顔を見て、僕が出していたと分かったようで、言った。

「いえ、とんでもない。
 それはともかく、君は大丈夫か?もう、大叔母さんには会ったの?」
「いえ、まだ…怖くて…」
「じゃあ、俺達も一緒に会おう。警察の用事が終わったら、君はそのまま帰りたまえ。俺達は現場検証なんだ。」

 月子は、急にキリっとした顔つきになった。

「あの、私も参加出来るんですか?」
「いや…」

 恭平は、また僕の方を見た。僕は「参加したかったら、させてあげれば」と、目で言った。

「君はまだ助手になったばかりで公安に正式に申請していないから、本当は駄目なんだ。だが、もしそうしたければ、特別にいいよ、一緒にいたまえ。但し、無理はするんじゃない。」
「はい、青山先生、」
 恭平がクスッと笑った。月子が訂正した。
「じゃなくて、青山さん。」
「OK。
 凌、月子にも腕章渡してくれ。」
「はい。
 月子さん、どうぞ。肩先から15センチのところにつけてください。」
「え、決まってるんですか?」

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