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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(2)-3
「それにしても、つくづく馬鹿だね、君達は。」
「え、光さん、なんでですか?」
「理由は二つ。一つ目は、ここでそんなことしたら、僕に見つかる可能性が極めて高いということ。そして二つ目は、僕に見つかれば、本に書かれる可能性も極めて高いということだよ。」
「そ、そんな、光さん、やめて下さい。今のこと書かれたら、私は本当に破滅です。結婚出来なくなります。
 ねえ、青山さんもそうですよね?」
「俺は別に構わないよ。離婚したとはいえ、一度は結婚してるもんね。」
 恭平は相変わらず、飄々と言った。
「そ、そ…」
「見損なったよ、恭平。今日から、仕事関係以外、本当に口きいてやんない!」
「別にいいさ。君の話すことは、どうせ殆どが仕事関係じゃない。」
僕は悔しくて、涙が出そうになった。
「なんだよ、恭平。違うじゃないか!君が、他のことに何にも興味を示してくれないから…」

 あれ、なんで僕が弁解する側に回ってるんだよ?

 そんな自分自身にも腹が立って、僕はとうとう涙が出てきた。悔しいから、外方(そっぽ)を向いて言ってやった。

「いいよ、もう。
 恭平、僕はやっぱり出ていくし、それから…」
「それから?」
「今日のこと、裕紀さんに言う。」

 恭平の顔が一変した。

「嘘っ、光、すみませんでした!悪かったです。許して下さい。ホンの冗談です。お願いだから、兄貴に言わないで下さい!」
「なんだよ、裕紀さんの名前が出たら急にビビッて。じゃあ、僕は出てっても構わないんだね。」
「光。いえ、光様。どうか出ていかないで下さい。」
「さあね、今更遅いよ。取り敢えずは、凌に謝れば。」
 恭平は素直に謝った。
「凌、すまない。かみさんが恐いから許してくれ。」

 恭平は僕の機嫌を取る時、よく僕を「かみさん」と呼ぶ。でも僕は無視して、外方を向いたまま、凌に言った。

「凌。恭平にキスされて夢見心地のところ、現実に引き戻して申し訳ないけど、何の用?なんか、事件なんじゃないの?」
「だから、されてませんよ。青山さんは私のことを誤解して、ふざけただけですから。」
 凌は僕の方をばつが悪そうに見た。
「でも、あの…すみません。光さんを傷つけるつもりは…私はただ、青山さんが…」
「だから、もういいよ、凌。
 で、何の用なの?」

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