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◆青山恭平の事件簿◆
第2章 恭平の価値-1
第2章 恭平の価値


 あれから…「占い師事件」の夜、「光あっての俺で、君の為なら死ねる」と恭平に言われてから、どうも調子がおかしい。

 あれはどういう意味なのだろう?恭平はプレイボーイで口が上手いから、僕が「ここを出て、助手も辞める」と言ったことを受けて、引き止めるために言った口からの出任せなのだろうか?それとも、外に何か意味があるのだろうか。

 人は誰でも自分に都合良く物事を解釈しがちで、それは僕にしても例外ではない。だが、あのあと恭平は何も言ってこないし、態度も口調も以前と変わらない。だから、僕もどういう態度に出ればいいのか分からないから、取り敢えず、以前の通りにしている。しかし、なまじあんなことを言われると、妙に意識してしまって駄目だ。恭平の言葉に対して、いちいちその裏側を探ってしまう。

 こんなことでは駄目だ。あれ程決心したばかりじゃないか。


 そんな12月18日。「占い師事件」から二日経った日。年の瀬なのに、なぜか患者さんがいつもよりは少し少ないみたいで、珍しく診療が定時に終わった。それで、僕が病院から帰ってきたのは、いつもよりも2時間近く早い1時だった。

 恭平がいない…

 そう思ったら、3人掛けのソファの方に人が二人いる。気のせいか、恭平と思われる一人が、もう一人の上に覆い被さっているように見える。



 僕がドアを開けても、なぜか二人とも気づかない。
「恭平?そこにいるの、恭平?」
恭平は起き上がり、そして僕の方を見て、幾分頬を染めて言った。
「あれ、光、もう診療、終わり?随分早いね。」
「恭平、凌に何してたの?」
「別に何も。ちょっと、からかってただけだよ。凌がさそっ…」
凌も起き上がり、赤くなって言った。
「う、嘘です、光さん!
 違いますよ、青山さん。私は誘ってなんか…」
「いいよ、凌。恭平がすけべなのは分かってるから。
 でも、何で抵抗しないのさ?」
凌はばつが悪そうに言った。
「あの、それが…青山さんにはなぜか逆らえなくて…」

 僕はコートを脱いで部屋の北側の壁のコート掛けに掛け、自分のソファにすわって言った。
「全く、豊が恭平のこと手が早いとは言ってたけど、男にまで早いとは驚きだね。」

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