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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(1)-7
 RICKIEは、少し赤くなった。
 すると、YASUも言った。
「あの、俺も法学部です。」
「え、そうなの?」
「はい、H大です。」
「ええっ、じゃあ、葛山君と一緒だ。」
「でも、下から上がってっただけなんですけど…」

 驚いたことに、HIDEYUKIがおずおずと言った。
「あの、俺も法学部です。」
「嘘っ!」
「仙台の青葉区にある大学です。」
恭平が言った。
「ああ、あのTG大。」
「ご存知ですか?」
「ええ、確か多賀城にキャンパスがありませんでしたか?」
「はい、そうです。」
「地元では、ものすごく人気がありますよね。」
「ええ、まあ…」
 驚いたことに、KAMIYAが頬を染めて、何か言いたげである。
「あの…」
「まさか、君も法学部だなんて言い出さないだろうね?」
「はい、法学部ではありません。うちは、法文学部の法経学科って言うんです。」
「え、それって、島根大学だろ。優秀じゃないか。」
KAMIYAは赤くなった。

 僕は急に腹が立ってきた。

「なんなんだ、君達は?ロックやってるくせに、嫌だな、エリート集団じゃないか!」
 すると、5人が声を揃えて言った。
「東大出に言われたくありません。」

 恭平が、クスクス笑い出した。
「いいじゃないか、光。手間が省けたよ。素人さん相手じゃ、なかなか『法的なものの考え方』を分かって貰うのは大変だからね。」
恭平は、尚もクスクス笑って言った。
「だが、君達。折角法学部出身なら、こんなところで燻(くすぶ)ってないで、司法試験なり、外交官試験なり、あるいは司法書士なり、何か目指せばいいじゃないですか。」

 RICKIEが、みんなを代表して言った。
「青山先生。俺達、今回の事件を通して、色んなことがありました。業界の裏表も見たし、人間の本音と建て前とかも知りました。
 そんな中で、青山先生達だけが潔いっていうか、本音と建て前がないっていうか、上手く言えないけど、俺達、物凄く感動したんです。『ああ、今日この日、この人に会うために、自分達はロックをやってきた』って思ったんです。」

 HIDEYUKIも言った。
「帰り際に社長にかけて下さった言葉、みんな、聞いてて感動しました。」

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