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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(1)-4
「それに、片手間で出来るものでもありません。芥川も、本業は医者なのですが、そちらもあまり出来ないくらいなんですよ。」
 恭平がこれだけ言っても、5人の意思は固かった。

 僕達が戻る前にみんなで相談でもしていたのか、YASUがソリダリティーの代表で言った。
「ソリッドは、いつ活動再開するか、まだ決まっていません。俺達、みんなバラバラになって、あちこちのバンドのサポーターになるくらいなら、引退してもいいと思ったんです。」

 月子さんも続いた。
「青山先生がそう仰るだろうことは、分かっていました。私、したいことが見つからなくて、塾はそれが見つかるまでの腰掛け仕事だったんです。ですから、辞めろと言われたらすぐに辞めます。後継者も育てておりましたし。」
「それに…」
YASUが続けた。
「社長が…社長はああいう人だから、俺らが仕事しない間も、ずーっと面倒見るって言ってくれてるんです。毎日仕事しないで一日中事務所にいて、なんか俺達、申し訳なくて…」

 恭平は困って、また僕の方を向いた。恭平は人が好いので、なかなかノーとは言えないのだ。

「すみません、ちょっとお待ち下さい。」

 僕は5人にこう言うと、恭平に資料室に来るように目で合図した。僕達は立って、資料室に行った。


「どうするの、恭平?みんな、君に惚れて集まってるんだよ。」
「いや、約一名は違うよ。」
「論点はそこじゃないだろっつうの!全員、追い返すのかい?」
「だって、いくら給料いらないったって、そういう訳にも行かないだろ?」
「そうだね。仕事がコンスタントにある訳じゃないし、君も結構、選り好みするからな。」
「第一、仕事がない日に全員ここにいてみろよ。すわる所さえない。」
「いや、ソファはいずれは買い増ししようと思ってたんだよ。もう一台、ソファベッド買おうよ。」
「品川から、くすねてこようか。」
「もう、恭平!」
「それはともかく、どうすんだよ?」
「月子さんは100パー君に惚れてる、初めて会った時からね。彼女にはいて欲しいな、君のためにもさ。」
「じゃあ、俺もRICKIEにいてほしいかな。」
「もう、恭平、全っ然 分かってない!」
「何が?」
「もういい。」

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