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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(1)-3
 僕は、恭平が惨めにならない程度に続けた。
「なにしろ、警察関係の事件は全て無償ですので…」
「いえ、私、お給料を頂戴しようなんて思っておりませんわ。助手として使って頂けるだけで、嬉しいんです。」

 月子さんが真っ先に言うと、YASUも負けじと言ってきた。

「青山先生、俺達も同じです。俺とHIDEYUKIさんは前から青山先生のファンだし、KAMIYAもこの前の事件以来、すっかり青山先生に夢中です。
 RICKIEさんに至っては…」
「おい、YASU、言うなよ!」
「え、RICKIEさん、いいじゃないですか。
 あの、RICKIEさんは芥川さんに一目惚れしたそうです。」
「ば…馬鹿、YASU!」
 RICKIEが赤くなった。僕も赤くなった。

 月子さんが、それとなく突っ込んだ。
「あら、芥川さんって女性でしたっけ?」
一瞬の沈黙の後、月子さんは赤くなって言った。
「あ、ごめんなさい、私ったら空気読めなくて…RICKIEさんは芥川さんが女性じゃないって分かってて、仰ってるのね。」
RICKIEは一層赤くなって弁解した。
「いえ、あの…芥川さんは、素人さんにしては音楽のこと詳しいし、MOTOKIのことに関しても驚くほど優しくて、綺麗な顔立ちなのに凄いなって…」
HIDEYUKIが、クスクス笑って言った。
「そうなんスよ。RICKIE、『東京の女性はやっぱ違うわ』って、楽屋で俺にため息ついて言ったんです。で、そのあと芥川さんが男性だって知って、落ち込んじゃって。」
月子さんが申し訳なさそうに言った。
「あの、RICKIEさん。私、別に責めてるんじゃないです。今は何でもありの時代ですもの。」

 僕は女性に間違われるのはいつものことなのだが、相手が僕が大ファンのRICKIEとなると、赤くなってしまった。

 恭平は、普通だったらニヤニヤして揶揄(からか)ってくるところだろうが、しっかり営業用シリアス顔で言った。
「あの、ソリダリティーの皆さんも月子さんも、ご自分で仕事をされてるからお分かりかとは思いますが、私共の仕事は見た目よりもハードだし、悲しいことや辛いことにも沢山出くわします。私でさえ、時々、もう辞めてしまおうかと思うこともあるくらいなのです。」
恭平は更に続けた。

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