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◆青山恭平の事件簿◆
古刹殺人事件(1)-2
「へぇ、でも、似合ってます。
 あ、ちょっと待ってて下さい、今、お茶入れてきます。」
 僕は慌ててコーヒーを入れにいった。7人分でいいんだよな、と確認しながらテーブルに運んだ。

 そこに恭平が戻ってきた。僕はダイニング・テーブルの椅子を2脚運んで、立っている二人を座らせた。恭平も座った。

 RICKIEが聞いてきた。
「芥川さん、こちらの美しいご婦人はどなたですか?紹介して下さい。」
「あ、そうですね。こちら、みたらい・つきこさん。石神井(しゃくじい)の富豪のお嬢さんです。
 月子さん、ロックって聴かれますか?こちらの4人は、ロック・バンド『ソリダリティー』のみなさんです。」
「そうですよね。従姉妹が大ファンで、私も付き合ってライヴ行ったことあります。まさかと思ってたけど、やっぱりそうですか。
 初めまして、御手洗月子です。」
4人は各々、自己紹介していた。


 恭平は煙草を吸いたげだったが、HIDEYUKIと月子さんに遠慮して、我慢しているようだ。その恭平が言った。
「ところで、月子さん、今日は何の御用事ですか?」
「ええ、あの、青山先生が事務所に遊びにきてもいいって仰ったから、本当に来ちゃいました。すみません、図々しくて…」
「いえ、とんでもないです。」
月子さんは、微かに頬を染めて続けた。
「あの、青山先生…」
「はい、」
「私、仕事、夜からなんです。」
「ええ、存じておりますが。」
「ですから、昼間は暇なんです。」
「はい。で?」
「こちらで、お手伝いしたいんです。」
「え?」
月子さんがそう言った時、ソリダリティーのYASUが、慌てて殆ど叫ぶように言った。
「うわぁ、先を越されちゃった。青山先生、俺達もソックリ同じこと言いにきたんです。俺達、少年探偵団ならぬ、青年探偵団で使って下さい。お願いします。」

 恭平は困って、僕の方を見た。それは当然である。いくら恭平が名探偵でも、うちの事務所は5人も雇える余力は無い。

 僕はこの事務所の経理もやっているので、口出しした。
「皆さん、勿体無いような申し出、ありがとうございます。
 ですが内情を申しますと、恥ずかしながら私共の事務所には、そこまでの余裕はございません。探偵業は、派手な見かけほどの実入りはないのです。」

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