[携帯モード] [URL送信]

◆青山恭平の事件簿◆
幸福な犬(3)-6
「よく分かりました、藤井さん。一先(ひとま)ずお帰り下さい。一両日中に、あなたに良い知らせをお聞かせ致しましょう。」
「か、帰れと仰られても、青山さん、私は尾行されていたかも知れないんですよ。ここから出て行くなんて、正気の沙汰じゃない、殺されてしまいますよ。あなた、探偵でしょう?守って下さいよ。」

 恭平は藤井氏の顔をじっと見て、言った。

「奥さんは心配じゃないんですか?」
 量販店の支配人は、ビクッとして答えた。
「も、勿論、心配ですが…」
「じゃあ、早く帰っておあげなさい。あなたがここへ来たことを、あなたの言う五人組の連中が知ってしまったら、奥さんを殺して、犬を連れて逃げていってしまうかも知れないでしょうから。」
「は、はい。」
「それから、私から警察へ詳細を話して、お宅に護衛をつけさせてあげましょう。」
「いや、…それは…」
「それは…何です?」
「いえ、それはありがたいと思いまして…」
「どういたしまして。今、警察の知り合いに頼んで、家まで送らせますよ。」

 恭平は、所轄の練馬(ねりま)中央警察署の署長に電話して、何か話していた。その電話が終わると、今度は別のところに電話して、何か言っていた。

 ほどなく私服の警察官が二人、藤井氏の護衛に来た。支配人は、へへ、と恭平に愛想笑いをして、出て行った。

[*前n][次n#]

19/80ページ


[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!