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◆青山恭平の事件簿◆
幸福な犬(2)-2
 青山恭平。29歳。185センチメートル。スポーツ万能、特に剣道と乗馬はプロ級。姿勢がいい訳である。
 車の免許はA級ライセンス。乗ってる車は、貧乏探偵のくせになぜかベンツ。
 知能指数148!(これは僕が調べたのだ)
 医者でもないくせに、医学、薬学にやけに詳しい。そして、英語を初め、フランス語、ドイツ語、スワヒリ語、韓国語、の六ヶ国語に精通している。

 頭よし、顔よし、その上、オリンピックにも出られそうな恵まれた体躯。こんな素晴らしい男の口から愛の言葉を囁かれたら、どんな女性もたちまち夢中になるような、それほど、兎に角、素晴らしい男である(実際、プレイボーイである)。男の僕がこんなことを言うのはおかしいかも知れないが。


 僕は、恭平さんが自分と同い年で、しかも友人扱いしてくれているので嬉しくなって、言葉使いも、ついタメ口になってしまった。
「恭平、一つ、聞きたいことがあるんだけど…」
恭平は、クスッと笑って言った。
「同い年って分かったら、いきなり呼び捨てですか。まあ、いいですけど…
 ええ、何なりと、どうぞ。」
「僕は君の頭のいいことは充分判っている。
 でも、どうしても疑問になることがあるんだ。それは、僕がここへ来ることを分かっていたり、いや、その前に、どうして僕の住所が判ったの?」

 恭平は、クスクス笑い出した。僕は馬鹿にされたような気がして、内心、顔が赤くなるのを感じた。

「簡単だよ。」
「君には何でも簡単なんだな。」
 僕は、いささかカンに障って言った。それが口調に出たのか、恭平はすまなそうな顔で言った。
「いや、失敬。実を言うと、どうやって渡そうかと思ったんだ。交番へでも行こうかってね。
 そうしたら、このマンションの前でハチと石倉さんが何か話してたんだよ、北海道だの、四年前だのってね。
 それで、『これはもしかしたら』と思って、石倉さんが帰ったあとハチに聞いたら、案の定、話題の主は君だったんだよ。」
恭平は、尚もクスクス笑って続けた。
「しかし驚いたよ。四年前まで向かい合って住んでいたのにお互い気づかないで、今日わざわざ井の頭まで行って、やっと話す機会を見つけたなんてね。」

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