灰色綺譚
神田の心配
アクマの煩い馬鹿笑いが響いた。
「ゲヘヘヘヘヘ!!無理だ、無理だ!!元帥共は助からねェ!!ノアとアクマが大軍で追いかけているんだぜ。それに、不破という元帥。一番ヤバイんじゃねェか?お前らがこうしてアクマを壊している内にも…」
「うるせェ。それに、アイツは強ェよ。」
六幻に付いた血を払い呟く。
マリに呼ばれて、追いつくが、苛立ちがより一層増したのは否めない。
「まったくジャマじゃん。次から次へと襲ってきやがって、ちっとも進めやしない。」
「オレ達を足留めしてェんだろ」
「元帥に辿り着くだけでも一苦労だな」
春華は誰が護るってんだ。
むしろ、春華は率先してソカロ元帥の元に行きそうな気がしてならねェ…
「チッ」
「なんだ?イライラしているのか神田。」
「してねェよ!ただ、春華が心配なだけだ。」
「しっかし、いつになったら辿り着くのかねェ。オレ達の探すティエドール元帥は、もうこの街にゃいねェみたいじゃん。まったく足が早いっつーか、鉄砲玉っつーか。」
「どうせどっかで絵でも描いているんだろう」
投げやりに返せば、笑いながらデイシャが返してくる。
「まったく、オレらも変な師を持っちまったなぁ、神田。」
「俺はあのオヤジが大っ嫌いだ。」
「「(だから機嫌悪いんだぁ)」」
「ま…クロス元帥よりマシじゃん…。あ、不破元帥が一番良くね?」
「人見知りが激しいと聞いているが…弟子は取っているのか?」
マリがもっともな意見を言った。
が、俺は春華が弟子を取ったことを聞いている。
つか、むしろ俺がなりてぇ…
「ミランダという女性を弟子に取ったらしいぞ。春華から連絡もらった時に聞いた。」
「「は?」」
「連絡あったから確かだ。」
「じゃなくて、不破元帥と仲良いのか?さっきは気にしなかったが、春華って不破元帥の名前じゃん。」
「さぁな。つか俺は、春華が人見知り激しいなんて最近知ったんだぞ。」
「「あんなに有名なのにか?!」」
信じられん!とでも叫びそうな顔をされた。
[*黒白][銀灰#]
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