灰色綺譚 千年公は探してる 馬車で移動中、コムイさんが任務について話し始めた。 私は、大元帥に色々と指示やら受けていたので、途中までしか一緒にいれないけど。 私の目の前では、何故かアレンとラビが正座中… 「先日、元帥の一人が殺されました。殺されたのは、ケビン・イエーガー元帥。6人の元帥の中で最も高齢ながら、常に第一線で戦っておられた人だった。」 「あのイエーガー元帥が……?!」 驚くリナリーとアレンをよそに、話は進んでいく。 「ベルギーで発見された彼は、教会の十字架に裏向きに吊るされ、背中に【神狩り】と彫られていた。」 「神狩り…?!」 「イノセンスの事だな、コムイ?!」 アレンとラビが、コムイさんに聞いた。 伯爵とノアが、本格的に動き始めたというわけか。 「そうだよ。元帥は適合者探しを含めて、それぞれに複数のイノセンスを持っている。イエーガー元帥は8個所持していた。奪われたイノセンスは、元帥の対アクマ武器を含めて9個。」 「九…っ」 「瀕死の重傷を負い、十字架に吊るされてもなお、かろうじて生きていた元帥は、息を引き取るまでずっと歌を歌っていた。」 千年公は探してるぅ 大事なハートを探してる 私はハズレ つぎはダレ 「そう…今、春華ちゃんが歌ってくれたのがその歌。」 「マテールの時も思いましたけど、春華って歌が上手いですよね。」 「そうですか?基準がわかりませんが…」 「上手よ、ハルちゃん!今度は違う歌を歌ってね。聴きたいわ。」 「任務が終わったらいいですよ。」 「ホント?!楽しみにしてるわ、ハルちゃん。」 何故かリナリーが喜んだ。 歌が好きなのかな? まぁ、何でもいいけど。 「そういや、センネンコーって?」 「千年伯爵の愛称ですよ、ラビ。千年公というのは。」 ラビの質問に私が答えた。 ラビは「ほー」とか言っている。 アレンは、真面目な顔をしてコムイさんに質問した。 「あの…【大事なハート】って…?」 [*黒白][銀灰#] [戻る] |