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灰色綺譚
報告書





コムイは、ソカロ元帥から渡された報告書を、興味深げに読んでいた。

春華が元帥に対し、人見知りしなかったのにも驚きだが、アクマの殲滅方法に度肝をぬかれた。

どう読んでも、何度読んでも『町ごと焼き払った』と書いてある。




報告者:ウィンターズ・ソカロ

同行者:不破 春華

任地:イングランド南西部

目的:春華の資質を見極め、及びナターシャにて起きたアクマによる町の占領を殲滅して解消すること。




春華による、イノセンス【ネメシス】の半径約20km位の業火にて、アクマを町ごと焼却。
近郊の町にて、配置しておいたファインダーにより火柱のような炎上を確認されている。

レベル3までなら一撃必殺になるが、広範囲かつ無差別な技。
自身は、防御壁で囲い衝撃を防ぐ。

その後、火山噴火後のマグマが通り抜けたような、焼け融けた瓦礫すらない荒野を、イノセンス【カドゥケウス】にて復旧。
町には人こそいないが、占領以前のような町の情景になっている。




春華について

結論:元帥になる資質は十分にあり。元帥ウィンターズ・ソカロは、不破 春華を元帥候補として推薦する。

戦闘能力はS級ランク。
現状の把握及び最も効率的であり、効果的な戦闘方法を導き出す理論的な思考を持ち合わせている。

交渉能力、理解力も高い。
必要な情報を引出す手際は良い。

《人見知り》に関して
任務に支障なし。
公私混同はされていない。






「リーバー班長、コレ見てどう思う?」


「なんつーか…過激っスよね。アレンがいると、すっげー大人しいのに。」


「上にどうやって報告しよう…?ソカロ元帥から推薦までついちゃってるしぃ。」


「団服、作り直しっスね。にしても、ホントに12歳なのかと思う能力の高さっスよね、室長。」


「うん。春華ちゃん、普段が大人しい分、上に目を付けられちゃいそうなんだよね。反発がない分、扱いやすそうって。」





春華ちゃんを、守らなきゃいけない。

室長としても、『お兄ちゃん』としても。



「僕たちが精一杯守ろう…。まだ彼女も彼らも子どもなんだ。」


「そうっスね、室長。俺らも頑張んないと。…ということで室長。溜まった書類にハンコをお願いします。」


「…リーバーく〜ん!!!ヒドイよ!いきなり違う話を振ってくるなんてーっ!!!!」



悪化していく戦況に、また一人送り出さなければいけない。


室長として、みんなを守るために新たな決意をした。












[*黒白][銀灰#]

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