灰色綺譚
3日後
『いいねぇ、青い空。エメラルドグリーンの海。ペルファヴォーレイタリアン♪』
「だから何だ」
『「何だ?」フフン♪羨ましいんだい、ちくしょーめっ!アクマ退治の報告からもう3日!何してんのさ!!ボクなんか、みんなにコキ使われて外にも出れない、まるでお城に幽閉されたプリンセ…』
「わめくな、うるせー。文句はアイツに言えよ!つか、コムイ!俺、アイツと合わねェ。」
顔のガーゼを剥がした後に、点滴を引っこ抜く。
私が、医者に内緒でだいぶ治療したけど、まだ完治ではないし。
それに苛立っても、点滴はブチって抜いちゃ痛いと思うよ。
『神田君は、誰とも合わないんじゃないの?あ、春華ちゃんは別か。
で、アレン君は?』
「まだあの都市で、人形と一緒にいる!!」
『そのララって人形…そろそろなのかい?』
「多分な。春華は3日ももたないって言ってたし。もうアレは、じき止まる。春華に電話代わるか?」
俺の包帯を、地味に解いていた春華を見ながらコムイに聞いた。
ちょうど、医者が来たからだが。
『春華ちゃん?!無事?!神田君が話してくれなくて、よく怪我の状況がわかんなかったんだけど…』
ごめんなさい。
口止めしたのは私です。
「問題ありません、室長。全治半年の怪我をしただけですので。では、神田に代わります。」
『ちょ、何?!全治半年って何があったの?!春華ちゃん?!』
医者が頑張ってユウを止めようとしている時に、無理矢理な気がしたが会話を中断した。
トマが名刺を医者に渡したので、私はユウの包帯を渡す。
ボリスは、静かにトマの横にいた。
「世話になった。」
バサッとYシャツを羽織ったユウが言った。
不思議がる医者を置いて、病院から出た。
『今回のケガは時間がかかったね、神田くん。』
「でも治った」
『でも、時間がかかってきたってことは、ガタが来始めているってことだ。計り間違えちゃいけないよ。キミの命の残量をね…』
「そこは昨日、昏睡状態から目覚めた春華がフォローした。今日は一応まだ留まってただけだ。人形のこともあるしな。で、何の用だ。イタ電なら切るぞ コラ。」
『ギャーーーーー!ちょっとリーバーくん聞いた?!今の辛辣な言葉!!』
『は?』
リーバー班長にいきなり話を振る室長。
本気でイタ電してきたんじゃないかと、疑いたくもなるよねぇ…
『違いますぅー次の任務の…』
次の任務の指令と共に、ユウに早く私を連れて帰ってくるように言ったらしい。
ユウが「春華の無事を早く確認したいらしいぞ」と、呆れた溜息と共に告げた。
室長、ユウに何を言ったんですか…?
[*黒白][銀灰#]
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