灰色綺譚
帰ってきた闇
破壊音が城中に響く。
ラビとクロウリーが戦っているのと、多分、アレンとエリアーデが戦闘開始したからだと思う。
原作通りに行けば、ラビはアクマの説明と、ラビの考えを話しているだろう。
『アンタはアレンや春華と同じ、アクマの毒が効かない寄生型の適合者で、無意識にアクマだけを狙っていた。』
『その硬ってぇ歯がイノセンスなんじゃねェの?』
『アクマ狩んのが楽しいってんなら、オレらの仲間になればもっと狩れんぜ?』
さっきラビにこっそり付けた発信機から、ラビの声が聞こえる。
うん、私のイヤーカフス型の無線機は感度良好。
あれ?
隠し扉はホントにどこ?
これ?
コレでいいの?
さっきから、無線を気にしつつも隠し扉を探してるんだよね…。
…あ、アレンの足跡追えば良かったんじゃないの。
あそこで泥汚れが途切れてるし。
「どうしたの?さっきまではイキが良かったのに。抵抗しないとこのまま胸、潰しちゃうわよ?」
?
熱い…ボーッとする…
体の全部が何かに力を吸われていくような、五感が鈍る…
眠たい…
春華…
「やだ、無反応?それともヤル気なし?アレイスターに相当ダメージ喰らったのかしら?ふーん」
ダメだ…ダメだ、眠るな
痛みも何も感じない…
感覚がマヒしている
眠ったらそのまま殺されるぞ
話せ、脳を動かすんだ…
「アレイスター・クロウリーを…退治する…気はありません…。あなたと…戦う…理由がない…。彼…は吸血鬼でも化物でもない…。僕達の…仲間かもしれないんです…」
アレンの声が聞こえた…
ドコ…?
エリアーデの高笑いと、破戒音が響く。
「仲間?バカじゃないの?あいつは吸血鬼よ!連れてなんて行かせるもんか…っ!だから、お前らは殺す」
「やめなさいっ!!」
「…春華…?」
「何?あんた。こいつらの仲間?」
「アレンを返しなさい。」
エリアーデは、倒れたアレンの首を落とそうとしていた。
誰も城に近づけないように。
「私はね、これからコイツを殺すの。」
「ムダよ、エリアーデ。あなたはこれ以上、アレンを傷付けられないわ。」
「何をバカなことを…」
ガッと、アレンの左腕が斧を掴んで押し返した。
エリアーデは、意識のないまま斧を砕き、襲い掛かってきた左手に驚いていた。
「アレンの闇が戻ってくるわ。」
春華の声が聞こえた。
-タダイマ アレン-
-闇ガ戻ッテキタヨ…-
感覚が戻ってきた
「アクマですね」
また、戻ってきた
オカエリ
「戦う理由ができました」
[*黒白][銀灰#]
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