灰色綺譚 湖上の古い孤城4 ガラガラと崩れている城壁。 「「がはっ」」 「大丈夫ですか?二人とも…」 砂煙にむせる二人。 アイアンメイデンのおかげで傷はないけど、爆発後の煙に負けたらしい… 「だ、大丈夫です、春華。毎回スミマセン…。」 「死ぬかと思った。ちょっと本気で死んじゃうかと。」 「ラビ、顔色真っ青ですけど?アレンは体調悪くなっていませんか??」 「ちょっとオレ吐いていい?」 「ちょっと、春華の見てないトコで吐いてください!」 「発情兎さん、真面目に仕事をしないからですよ。」 「自業自得ですよ、ラビ!…あれ?春華、ラビ、アレ」 「ちょっ?!発情兎って…あ゛い?」 発情兎にショックを受けつつ吐いていたラビに、アレンが自業自得だと言った。 だよね、あんなに必死で呼んでるアレンを無視するんですもの。 「…墓地だ。」 「ずいぶん粗末な墓さ。ペットのかね。」 「これ…連れ去られた村人の墓じゃないですか」 「へ?」 「さっき、エリアーデって女の人が、フランツさんを埋めに行くって言ってたでしょ、それに…ほら」 「あぁ、確かに犠牲者の数と合いますね。墓の数が丁度8個ですし。」 アレンに同意していると、ラビがアホな事を言った。 だが、アレンが「犠牲者の一人目は蒸発したって言ってたじゃないか」と言おうとして、途中で言葉が途切れた。 墓が、脆くも崩れたのが原因だ。 「あーーーっ!壊した!」 「うあ、ちょっと触っただけなのに!!」 「気にしなくて良いですよ、アレン。」 「!春華、ラビ!これ 見てください。」 「ん?」 「これ…!」 「「?!」」 アレンの指差した先には、ペンタクルが浮かび上がっていた。 さっきのフランツの件と照らし合わせた結果、疑念が出た。 「アクマなんでしょうね、ココに埋まっているのが。」 「掘ってみましょう、春華、ラビ。」 「…やっぱ確かめるのにはそれしかねェか…」 「もしかしたら…本当に春華の予測通りかもしれません…。」 [*黒白][銀灰#] [戻る] |