5 ※ 上條さんと二人切りの状況だったら、今俺が口にしたものよりももっと詳しい説明を求められていた気がする。 だから、今くらいの発言で合格を貰えたことが俺に対する甘さ、ってことなんだと思う。 でも逆に、玲司さんの方には不合格判定をされてしまったようだ。 「何が硬くなってんの?」 「っ……それは、俺の…」 「ん?」 「ッ……俺の……ちんこが…」 「葉太のちんこはセンセーに触られる前から硬くなってなかった?」 「うっ…」 痛いところを指摘されてしまった。 そんなことは服を脱がされた段階でこの場にいる全員が気付いていたことではある。 でも、上條さんでさえ見過ごしてくれた点を玲司さんに指摘されるとは思わなかった。 今更隠すようなことではないと思いつつ、羞恥を感じながら「…なってました、けど…」と答えると「全部言わなきゃ駄目って言ったろ」と言って耳朶をかぷっと噛まれる。 「難しいことは言ってないよな?」 「あっ、う……は、い…」 「だろ?葉太に恥ずかしいことさせてやろうって言うより、単純に葉太が思ってること全部知りたいってだけだから。そしたら俺らも嬉しいし」 ですよね?と投げ掛けた玲司さんに、上條さんがそうだねと返す。 本当にそれを知りたい”だけ”ではないんだろうな…と分かってはいたけれど、それが”嬉しい”と言われてしまったら、俺も彼らを喜ばせたいと思ってしまう訳で。 「俺も、もっと…喜んで貰いたい…です」 思ったことを言えって言うのはそう言うのも含まれるのかなと思って、思ったままを口にしたら今度は玲司さんからも合格を貰えることが出来た。 すっかり甘くなった声で「ん、いい子」と言われ、前後から褒められるこの状況に全身の血が歓喜で騒ぎ出してしまう。 「上條さん…っ…言えたご褒美、欲しい…です…っ」 約束して貰っていたフェラを強請ると、俺の股間に顔を近付けた上條さんがそこから俺を見上げながら「舐められたい?」と訊ねてくる。 すかさずこくこくと頷いた後、言葉でも「舐められたいです…っ」と答えると、笑みが浮かんでいた上條さんの口がぽかりと開いてそこから赤い舌が覗いた。 伸ばされた舌で先端に滲み出ている液体をそろりと舐め取られ、それだけでビクついた俺に玲司さんが「どうした?」と投げ掛けてくる。 「か、上條さんが、舐めてくれたのが…気持ち良くて…っ」 「僕はまだ先走りを舐め取っただけだよ」 「っ…それだけでも…俺は…」 「それだけで足りるの?」 「ッ………足り、ません…」 正直に答えると、上條さんが「じゃあしっかり舐めてあげるよ」と言って根元から先端に向かって裏筋に舌を這わせてきた。 当然ながら先程よりも大きく腰が揺れてしまい、それと同時に甘い声を上げた俺に玲司さんが「さっきより気持ちい?」と囁きながら耳の裏を舌で刺激してくる。 「んっ、気持ちいっ…でも、耳もされたら…っ」 「されたら、なに?」 「あっ、ん、なんか…背中、ぞくぞくして…」 「うん」 「こっ、興奮、しますっ…」 果たしてそんなことを説明することまで求められていたのかは分からない。 次第に上條さんの舌使いが過激になっていくにつれて、そんなことを考えている余裕もなくなっていった。 「あ、あっ…上條さっ…気持ちい…っ」 「うん、どんどん硬くなってるよ。咥えて欲しい?」 「あっ…ほ、欲しい…です…っ」 「良いよ。ちゃんとお強請り出来たら、奥まで咥えて舐めしゃぶってあげる」 「ッ……」 上條さんが口にする表現がいつもより直接的になっているのは気のせいではないだろう。 それが玲司さんの触発されたものなのかどうかは分からないけれど、今日は俺も含めてそう言う日なんだと思ってしまえば、今感じている羞恥もただの興奮材料にしかならない。 「お…俺のちんこ…奥まで咥えて…っ…上條さんの口で、いっぱい、気持ち良くしてください…っ」 「気持ち良くしてあげるだけでいいの?」 「えっ…」 「イきたくはない?」 「っ……イき…」 そのまま「イきたい」と答えようとして止めた。 その答えだと、いつもと変わらないなと思ったんだ。 「…上條さんの口に…出したい、です…」 そこまで言うと上條さんの目の熱がぐんと増したように見えた。 続けて「俺の、精液……飲んでくれますか…?」と問い掛けると彼の表情から完全に笑みが消え、捕食者のような目をした彼が短く「勿論」と答えて俺のソレを奥まで咥え込んだ。 「ああぁっ…」 優しく包み込まれた口内は温かく湿っていて、何度経験してもこの感触を味わうだけで下半身が疼いて堪らなくなる。 おまけに上條さんのフェラは経験の差なのか特別上手く感じて、そこに彼の性癖も合わさったら人一倍厭らしく、そして強く快感を煽られる行為になるから射精を我慢するのが難しい。 「あっ…あっ、きもちっ……きもちい…っ」 口ではそう言いながらも無意識の内に両手で上條さんの頭を押し返そうとしてしまう。 それに対して上條さんから反応はなかったけれど、代わりに玲司さんが「そんなにいい?」と訊きながら後ろから乳首をきゅっと摘まんできた。 「あッ…!?」 不意に与えられた別の刺激に俺の身体は大袈裟なくらいに反応し、仰け反った背中が玲司さんの身体にぶつかる。 そのまま俺の身体を拘束するようにぴたりとくっ付いてきた彼が絶妙な力加減で両方の乳首を弄り始めた。 「こっちは?」 「うあっ、玲司さっ…それだめっ」 「何がだめ?」 「んっ、どっちも、したらっ…あぁっ……す、すぐ、イっちゃう、から…っ」 「イけばいいじゃん。誰もイったら駄目なんか言ってないだろ?」 「それともイキ我慢したい?」と訊かれたから慌てて首を振って否定した。 そんな地獄は味わいたくないけれど、でも、こんなに早くイかされるのもしんどいと思ってしまう。 「あっ、ほんとにっ…駄目ですっ、気持ちいぃ…っ」 「どこが?」 「ん、乳首もっ、ちんこも、…きもちっぁあああッ」 言い終わると同時に思い切り乳首を引っ張られて再び背中が仰け反った。 それに被せるように上條さんの動きも大胆になり、上半身と下半身で別々の刺激を受け取る身体が暴走しそうになる。 「駄目ですっ、あっ、だめ、イっちゃいますっ…!」 「イっていいって。出したいんだろ?上條センセーの口に中に、葉太の精液」 「ッ!!」 玲司さんの声に咎めるような要素はなかったのに、その言葉を聞いて俺が勝手に玲司さんに対して不貞を働いたみたいな罪悪感を抱いてしまった。 射精寸前の頭なんて正常じゃないんだから仕方がない、と言うことにして貰いたい。 「ごめんなさっ、ごめんなさいぃッ」 「…え?」 「っもう、出ちゃいますっ…上條さんの口にっ、俺の精子、出しちゃうッ…!」 急に謝罪をし始めた俺に最初は玲司さんも驚いていたようだ。 その後に続いた言葉を聞いて謝罪の理由は理解してくれたらしいけど、揶揄うような声で「出したら浮気だな」と囁かれた時には、もう既に熱い迸りが尿道を駆け上がってきていた。 「ッ、上條さッ――」 直前で予告をしてあげなければ上條さんが困る、と気付いたのも少し遅かった。 名前を呼び掛けたタイミングで射精してしまい、強い快感を得たことでそれまで考えていたことが全て頭から吹き飛んでしまう。 「あッ…あぁぁ…ッ」 ビクビクと腰を震わせながら精を放った後。 ぎゅっと目を閉じてその快感を味わう俺の耳元で、玲司さんが今度は低い声で囁く。 「名前呼びながらイくのは違うじゃん」 次はイキ我慢な、と聞こえた言葉に、溶けかかっていた俺の意識が一気に呼び戻された。 [*前へ][次へ#] [戻る] |