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「あっ、あっ…!誠くんっ」

「嬉しいです。まるで俺だけの性感帯だって、言って貰えたみたいで」

「んうっ…合ってる、よっ」


そこは誠くんだけの性感帯で間違いない。

武内さんの言う通りだ。
誠くんだから大袈裟なくらいに感じてしまうのであって、他の人に同じことをされてもここまではならない。
仮になったとしても、気持ちの面が全然違う。

それだけは誠くんの目を見て伝えると、溶けそうな表情で「可愛い…」と呟いた彼が再び股に顔を埋め、付け根の部分だけじゃなくてその辺り一帯に舌を這わせ始めた。
太腿が中心ではあるけど、時々玉の方まで舐められて腰が浮くような感覚に襲われる。


「あっ、うう…誠くっ…」

「そろそろ僕を見て」


その声を聴いてハッとなった。
直ぐに視線を戻すと、ぶつかった視線から俺の心情を読み取ってしまったらしい武内さんが「もどかしい?」と意地悪な表情で訊ねてくる。


「ッ…武内、さん…っ」

「うん?」

「俺もっ…舐めたい、ですっ」


もどかしい気持ちは確かにあったけど、自分ばかり気持ち良くなるのも嫌だ。

ストレートに願望を伝えると、表情を変えないままの彼が「どこを?」と訊き返してくる。
それにも躊躇うことなく「武内さんの、ここ…っ」と彼のモノに手を伸ばしながら答えると、俺の手をやんわりと掴んで阻止してきた彼が「その前に河原くんがイくところを見せて」と言って流麗に微笑んだ。


「えっ…」

「ちゃんとおねだり出来たら、誠も舐めてくれると思うよ」

「っ……でも…っ」

「こんな時じゃないと僕もハッキリ見られないからね。折角余すところなく見られるんだから、僕にも堪能させてよ」


「フェラされてイく時の顔」と意地悪な表情で囁いた彼に、手放したと思っていた羞恥心を煽られてしまった。

だって、その場合のフェラをしてくれる相手って言うのは当然誠くんであって。
誠くんに気持ち良くして貰ってイくのに、その瞬間は武内さんと見つめ合うってことになる。

そんなの恥ずかしいし、誠くんにも申し訳ないと思ってしまう。


「大丈夫。僕も誠も、ちゃんと興奮出来るから」


それもまるで俺の心を見透かしたかのような台詞だった。
ねえ?と投げ掛けられた誠くんが「興奮するかどうかは分かりませんけど」と答え、それから指先で悪戯をするみたいに俺の性器を弾いてくる。


「あっ…!」

「葉太さんが上手におねだりしてくれるなら、良いですよ。今日は俺も”折角だから”と思うようにします」

「っ……」


折角、だなんて…そんな言葉を使われたら、今がより特別なものに思えてしまって困る。
ただでさえ、この二人と3Pをすると言う全く予想もしていなかった状況に気持ちが高まってしまっているのに、これ以上煽られたら俺自身がどうなるのか。

そんな風に考えて少し不安にもなったけど、そんな不安なんかよりも期待と興奮の方が遥かに上回ってしまったようだ。


「誠くん…俺のちんこ…誠くんの口で、いっぱい気持ち良くして…くれますか…?」


お願いだから必然と敬語になった。
たまに出る俺の敬語が好きだと言っていた誠くんからしたら今のも良かったみたいで、くすりと笑みを零した彼が「頑張ります」と答えたのを聞いてごくりと喉が鳴る。

誠くんの舌がソレの先端に滲む液体を舐め取る光景を目にした後、殆ど無意識に武内さんへと視線を戻すと直ぐに艶やかな眼差しに捕えられた。

こう言う状況下で武内さんの目を見ているだけで俺の胸は激しく騒いでしまうのに、この場に誠くんもいると思ったらやっぱり頭がおかしくなりそうだ。


「あっ…武内、さんっ」

「河原くんも興奮してるみたいだね」

「っ、こんなのっ俺っ…」

「嬉しい?」

「ッ!」


言わなくても伝わってしまうのはいつものことかも知れない。
でも今はそうやって俺の心情を的確に言葉にされることに酷く興奮して、身体の奥底の方から込み上げてくる激情を抑えることが出来なくなってしまう。


「っもっと、もっと見て…くださいっ」


もっと近くで見て欲しい。

自ら辱めるような台詞を口にすると、注がれる視線の温度がぐんと増したように感じた。
ベッドの縁に降ろしていた腰をすっと持ち上げた彼が、そのまま静かにベッドの上へと乗り上げて俺の隣に横たわる。


「これでいい?」


あと少し、頑張って顔を近付けたらキスが出来そうなくらいの距離で薄く微笑みながら投げ掛けてきた彼にどくんと胸が高鳴った。

欲望のままにキスを強請ると、彼が頬に添えた手で俺の顔を固定しながら「それはまだ駄目」と意地悪をしてくる。


「なんっ、でっ」

「今は見てるだけの時間にしたいから」

「ッ、でもっ」


駄目だと言われて大人しく受け入れられないくらい今の俺は欲深くなっているようだ。

したい気持ちを抑えられずに求めてしまう俺を見て、武内さんが「フェラだけじゃ足りないの?」と意地悪なことを訊いてくる。
そうじゃないと直ぐに否定したけど、そのせいで誠くんに火をつけてしまうことになった。


「あ……ああぁッ!」


裏筋に舌を這わせながら根元の方まで咥えられたと思ったら、舌先でぐりぐりと付け根を刺激されて身体にぎゅっと力が入った。
咄嗟に目を瞑ってしまったことを咎めるように武内さんから名前を呼ばれ、謝罪をしながら目を開いたはいいものの、このままだと彼と目を合わせていられるだけの余裕なんてなくなってしまいそうだ。


「あッ誠くんっ、そんなっ、ぐりぐりしたらっ」

「ぐりぐりしたら?」

「ひっ、あ、武内さんじゃ…っ」


誠くんに向けた言葉の返事も武内さんから返ってくるから、軽く混乱しながらも首を振って違うと訴える。


「うん?ぐりぐりされたらどうなるの?」

「んっ、だからっ…!」


誠くんがフェラをしながら喋るのは難しいことだと頭では分かっているけれど、そんな風に武内さんに反応されたら今与えられている快感も彼からのものだと勘違いしそうになる。

それが良いとか駄目とかじゃなくて、ただ、頭がおかしくなってしまいそうなのが怖い。


「誠くんっ待って、ちょっと、待ってっ…!」

「どうして?感じ過ぎて怖いの?」

「そっうですっ!こわいっ怖いからっ誠くっ」

「ねえ、僕は誠じゃないよ」

「ッ!!」


そんなの分かってる。
分かってるけど、それを滅茶苦茶にしているのは武内さんの方なのに。

もうどっちがどっちか分からない、と思ったら全てがどうでもよくなった。

もう何を言われてもそのまま受け取って、感じたままに応えれば良い。
そう思ってしまったら、そこからの俺の崩壊は早かった。


「きもちいっ、誠くんっ、気持ちいっ」

「…誰に言ってるの?」

「あっ、武内さんにっ」

「…へえ。僕に感想を教えてくれてるってこと?」

「だって、武内さんがっ答えるからっ…武内さんっ…もっと、俺のこと見てっ」


思うままに滅茶苦茶なことを言うと皺が寄っていた武内さんの眉間がふっと緩んだ。

どうしようもないな、とでも言いたげに表情を綻ばせた彼が「ずっと見てるよ」と答えてぐいっと顔を寄せてくる。


「ねえ。そうでしょ?僕がいつ目を逸らしたの?」

「ないっけどっ…もっと、えっちな顔が、見たいからぁっ」

「僕の?ふふ。何言ってるの。もうしてるでしょ。僕だってもうずっとえっちなことしか考えてないよ」

「あっ、あ、ほんとにっ?俺のこと見て、興奮、してますかっ…?」

「してないように見える?こんなにも可愛くて厭らしい顔を間近で見ているのに、興奮しない訳がないよ」


頬を撫でながら「早く抱きたい」と囁くように言われ、全身に興奮が駆け巡っていった。




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あきゅろす。
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