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そこで初めて今夜の寝床の心配をした俺なんですけども。

その後、直輝さんの手コキとフェラで俺は二回射精させられ、お返しとばかりに直輝さんの精液を胸にぶっ掛けられ。
尊さんが言っていた通り最後は翔平さんに顔射をされてフィニッシュを迎えたことで、俺の身体とベッドは大変なことになってしまっていた。


「…死ぬ……今死んで…後でもう一回死ぬ…」


ベッドの上で放心状態になったままぶつぶつ言っている俺に、爽やかな笑顔の尊さんが「大丈夫?」と言って労わるように頭を撫でてくる。


「シーツ…お母様に怒られて…家から放り出されるかも知れない…」

「あー。じゃあ俺んち泊まる?」


ああそうか、そう言う手があるのか…と思っているとすかさず直輝さんが「いや、それなら俺の家でしょ」と割り込んできた。
それが当たり前みたいな態度なのがなんでなのかは分からないけど、もう突っ込む気力なんてない。


「そのまま本番するつもりですね?駄目ですよまだ」

「何でタイミングまで馬場くんに決められないといけないの」

「今日するなら今するのも一緒じゃないですか」


尊さんがとにかく駄目だと言い張るから、今度は翔平さんが「じゃあ、僕の家に」と言い出して。

この人達は何度同じようなやり取りをしたら気が済むんだろうか。
困るのは俺なんだから、もう少し配慮して欲しい。


「誰の家にも行きませんから」

「でも、シーツの替えはあるの?」

「…さあ。あるんじゃないですか」

「なかったらどうするの」

「…リビングのソファで寝ます」

「それだとあんま寝られないだろ」


うるさい。順番に言ってくる感じが非常にうるさい。
誰のせいでこんなことになったと思っているんだ。

確信犯だった癖に。汚す気満々だった癖に。


「今から洗濯して干したら多分乾くと思うんで、とりあえず誰か俺の身体を綺麗にしてくれませんか」


このままじゃ起き上がることも出来ない。
起き上がったら色んな所から色んなものが垂れてしまう。

いや、色んなものじゃないな。全部精液だ。


「初めてが4Pでおまけに精液塗れって衝撃的デビューですよね」

「もう一回する?」


俺自身が汚した箇所を拭きながらとんでもないことを言ってきた尊さんに、俺は寝転んだまま呆れた眼差しを向けた。

あんた俺の口に二回出したよな?
お互いに三回目出しちゃおうぜってことか?枯れるぞ。

あ、ちなみにだけど顔だけはフィニッシュ後にティッシュで拭いて貰っていたから目を開けることが出来ています。


「俺のこと殺す気なの?」

「詩音がえろいこと言うから。てかこんなもんで死んでたら本番どうすんの」

「…た――」

「詩音くん大丈夫。本番はちゃんと俺と一対一だから。今日みたいなことにはならないから」

「……へい」


確かにって言わせて貰えなかった。
俺の心の中を先読みして本番はもうしないってなるのを即座に回避した直輝さんも相当な手練れだ。

よし、一先ず身体はティッシュで拭いて貰ったから応急処置は出来た。
そのままゆっくり起き上がって、少し考えた後に翔平さんに向かって腕を伸ばす。


「うん…?」

「シャワー浴びたいからお風呂まで連れてってー」


上ってくるのも翔平さんだったから下りるのも彼かなと思っただけで人選に深い意味はない。
俺の甘えた発言に対してふわっと表情に花を咲かせた翔平さんが「いいよ」と言って両腕を広げると同時に、他の二人が「何で…!」と表情を顰める。


「…もうちょっとお互いに寛容になれないもんですかね。綺麗に三等分して好き好きーってするのは流石に無理なんですけど」

「じゃあ、三等分は意識しなくていいからもっと好き好きして欲しい」


好き好きってなんだよ。俺が言ったけど。
意訳せずにそのまま使うなよな。


「はいはい。じゃあ尊さんはシャワー浴びたらいっぱいちゅーしましょうねー」

「うん、する」


いっぱいな、と言って嬉しそうな顔をする尊さんを見て心の中で「尊よーし」と確認を取った。
あとは直輝さんね。


「直輝さんは次会った時にえっちしましょうねー」

「うん、その確約を貰えたのは勿論嬉しいんだけど、今日は何もないの?」

「いや別に。ちゅーは尊さん限定でもハグとかは出来るでしょ」

「まあ、そうだね」

「あ、じゃあ、尊さんにはちゅーちゅーして、直輝さんにはわんわんします。で、翔平さんにはにゃんにゃん」


それでいい?って確認取ったら、なんかみんな珍しく納得したような顔をして笑っていた。
俺は寧ろ自分で言っときながら何それ意味分かんないって思ってたんだけど、みんながそれでいいみたいだからいいことにする。


その後は当初の予定通り翔平さんに抱っこして貰ったまま一階に下りて、一緒に入ろうとする彼らをリビングに待機させた状態でシャワーを浴びた。
お風呂から出てすぐに持って下りてきて貰ってたシーツを洗濯して、それから三人が待つリビングに戻る。


「わあ、イケメンが仲良さそうにお話してる。俺も混ぜてー」


腰にタオルを巻いただけの状態で三人の元に歩み寄ると「おいおい服を着ろ」って反応を取られた。

今ので野獣スイッチがオフられていることが確認出来ました。


「パンツも履いてないじゃん」

「先に着替えておいでよ」

「そうですね。三人だけの状況に多少の不安があったので先に確認にきたんですけど、大丈夫そうなので着替えてきます」

「ああ、そう言うことね。心配しなくても喧嘩なんてしないよ」

「その様ですな。じゃあこの場は直輝お兄ちゃんにお任せします」


そう言って二階に向かおうとしたら、行けって言った癖に呼び止められた。
でもすぐ尊さんに「鏡見た?」と訊かれてはっとなる。

そう言えば。
実は急いでシャワーを浴びてバタバタしながら出てきたから、自分の状態と言うものをちゃんと確認していない。

そりゃあまあ、視線を落としたら?
胸とかお腹の辺りに赤い斑点が沢山付けられているのは見えるんだけども。


「え、後ろもやばい?」

「うん。遠目で見るとやばい。付けたの俺らだけど」

「マジすか」


そんなこと言われたら鏡見るの怖くなるわ。
あ、見た瞬間に色々思い出しそうだからって意味ね。


「ま、服着たら大丈夫でしょう」

「そうだけど、お風呂上がりとか気を付けてよ。家だからって気を抜いてたら、見られるよ」


それは俺の両親にってことだろう。
確かに気を抜かないようにしなきゃなとは思うけど、若干そっちサイドが引いた反応をしてるのはよく分からない。
引くくらい付けたのは自分達じゃないか。
そりゃあ俺だってもっと付けてって言ったけども。


「そっちは気を付けます。けど、消えたらまた付けてくださいね」

「「え…」」

「首輪の代わり的な?ちゃんと飼い犬だって証明になるじゃないですか」


そう言うとすかさず誰に見せるつもりなんだと言われたから、そうじゃなくて自分に対する証明なんだと答えた。
それがあれば人前で気を抜かないように気を付けるだろうし、それを見る度に付けた人のことを思い出すだろうし。


「俺がフラフラしないように、ですね」


そう言ってへらっと笑ったら、じゃあまだ足りないとか言って際どい所に何個も付け直されてしまったから、ほんともう俺の飼い主は独占欲が強いったらありゃしないわ。

まあ、それぞれに付け返した俺も大概なんだけど。

地味に独占欲が強くて、従順だけど我がままで、実は寂しがり屋の甘えんぼで?
こんな人間をちゃんと躾けようと思ったら、そりゃあ三人くらいはいるよね。

だから俺はもう、この人達のことを彼氏じゃなくて飼い主だと思うことにする。

次に柚希と連絡を取った時に言っておかないといけないことが出来た。
優秀な飼い主が三人出来たから、もう俺専用の餌付け士は解任するねって。




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あきゅろす。
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