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尊さんが動いてくれるから、徳川さんのソレを握った手の方に意識を向けられると思ったのに。
こんなのされたらそれどころじゃない。


「はぁ…詩音のこのちっさい口、…ずっと犯したいって思ってた……っ」

「んッ…!んぐっ…!」

「詩音……ああやばい…喉締めるのも上手だよ…すごい、気持ち良い…っ」


後頭部を押さえられたままの状態でガチガチになったちんこの先端を喉の奥に押し付けられて、あまりの苦しさに本気で死ぬんじゃないかと思った。
目からは涙が勝手にぼろぼろ零れているし、開きっぱなしの口からは飲み込む暇も与えて貰えなかった唾液が溢れていて、今の俺の顔は相当悲惨なことになっているだろう。

それでも尊さんは、そんな俺を愛おしそうな目で見つめながら好きだの可愛いだの甘い言葉を囁いてくる。


「泣いてる詩音、初めて見た…その顔、えろ過ぎるし…最高に可愛い……っ」

「あ゛ッ……んぐ……っは…んんッ」


上手く息が出来なくて、これ以上されたらどうなるか分からないと俺の身体が本能的に危険を感じ始めたところでタイミングよく尊さんが腰を引いてくれた。


「ごめん、奥ばっかは苦しいよな。ごめんな、もうしないから」


労るように俺の頭を優しく撫でながらそう言うから、てっきり口から抜いて貰えるもんだと思って身体から力を抜いたのに。
確かにそれっきり喉を塞がれるような苦しさはなくなったけど、今度はその少し手前の上顎の裏にソレをゆっくりと擦り付けられるようになって。


「ここ、さっき言ってた口の中の性感帯。最初だからまだ感じないかも知れないけど」

「んうっ…あ……はぁ…」

「何回かやってく内に感じるようになるかな。俺も詩音の新しい性感帯、開発していい?」

「あっ、ん…んっ…」


尊さんの声は一応耳には届いてるけど、それに答えるだけの意思と力はもう残ってなかった。

でも、そんなところわざわざ開発なんてしようとしなくていい。
だってもう、気持ちいいから。

それを気持ちいいと思えるのは、壮絶な苦しさから解放されて気が緩んだのもあると思うんだ。
もう頭を撫でてくれる尊さんの手の感覚ですら気持ちいいんだもん。
いつもの”嬉しい”って感じじゃなくて、触られたところから溶けてくみたいに快感が拡がっていく感じがする。


「詩音…気持ちいの?これ」

「んっ……んっ…」


返事が出来ないから尊さんの目を見ながら数回頷くと、俺の反応を見て少し驚いていた尊さんの表情が甘く蕩けた。

俺にはそう見えたけど、尊さんの中ではこれ以上ないくらいに感情が昂ぶっていたらしい。
口の中を犯されて喜ぶ俺を見つめながら腰を動かす尊さんから段々と荒い息が漏れ始め、その動きも大胆になっていく。


「は…、……はぁ…っ」

「んっ…くっ…んん…っ」

「ッ……詩音、…もう出そう…っ……口の中、出していい?」


俺はもう何を言われたって駄目なんて言えなくなっているんだよ。
だから「ちゃんとごっくん出来る?」と訊かれて、よく考えもせずに頷いてしまったんだ。

それから尊さんは何度か腰を振った後に「じゃあ、出すよ」と言って、逃げられないように俺の後頭部を抑え込んだ。


「んんんッ!?」


口の中に液体が飛び出してきた瞬間は何が起きたのか分からないくらい混乱してしまったけど、出されたものは反射的に全て飲み込んでしまった。

喉の奥まで深く突っ込んだ状態で出されなかったからまだマシだったのかも知れない。
むせて激しく咳き込むようなことにはならなかったから良かったものの。
全て出し切った後のソレを口から抜かれる頃には、俺の魂は半分くらい抜けてしまっていた。


「大丈夫?ごめんな、いっぱい苦しいことして」

「…ん…」

「全部ごっくんしたの?」

「ん…した…」

「はあぁ、可愛い…いい子」


嬉しそうに笑って頭を撫でてくれる尊さんの手をじっとしたまま受け入れていたら、徳川さんが尊さんに対して咎めるような声で「やり過ぎだよ…」と漏らした。

俺のすぐ側に腰を下ろした徳川さんが身体を支えるように肩に手を添えてきて、座ってるだけで精一杯の俺からしたら徳川さんのその気遣いは十分過ぎるくらい胸に響いた。
脱力した身体を彼に預けながらふにゃんと表情を緩ませると、徳川さんの顔に驚きが浮かぶ。


「詩音くん…」

「俺…頑張った?」

「…うん。すごく」

「次は、徳川さんの」

「…もういいよ」

「ん?」


首を傾げながら「なんで?」と訊ねると、徳川さんが少し表情を歪めながら「もう頑張ったから」と答える。


「今のは、尊さんの分」

「…うん、でも、」

「したくないの?」

「……そうじゃないけど」

「触ったらいい?」


そう訊ねた俺に徳川さんは静かに溜息を吐いて見せると、それから直輝さんの方へ視線を向けた。
「どうしようとしてますか」と訊ねた徳川さんに対して、俺の足元に座っている直輝さんが俺を見上げながら「そうだね…」と相槌を打つ。


「俺は今日は詩音くんにしてあげる側だからね。徳川くんが遠慮したところで詩音くんのことは気持ち良くしてあげるつもりだけど、これ以上苛めるのは止めておこうかな」


そう答えて俺に向かって微笑んだ直輝さんに、俺の横で尊さんが「すいません…」と申し訳なさそうに呟いた。


「本番は譲って貰ったからね。そこは仕方ないと思ってる」

「…そうですか」

「まあ俺はさっきの状況に興奮もしてたし、見てて羨ましいなとも思ってたよ」

「…そこから見てもやばかったですか?」

「そりゃあね。詩音くんの反応は馬場くんよりも俺達の方がちゃんと見えてたから」

「…成る程」


小さく相槌を打った尊さんの眉が少し寄せられたのを見て、直輝さんが悪戯っぽく笑う。

その笑顔が直輝さんが意地悪をした後に見せる表情だと気付いて、今のは直輝さんが尊さんに対して何か意地悪をしたんだろうなとぼんやり考えた。
それが何だったのかまでは俺には分からない。


「徳川くんはどうしたいの?」


直輝さんがそう訊ねた後、視線を感じて横を向くと徳川さんが考えるようにじっと俺の顔を見ていた。

今のやり取りを聞いている間に俺の頭も少しずつ正常に戻りつつあったけど、もうしないの?って気持ちは変わらない。
だって、尊さんだけで終わっていいなら徳川さんがこの場にいる意味がないと思う。


「徳川くんは優しいから遠慮してあげてるんだろうけど、それをどう受け取るかは詩音くん次第じゃない?さっきの詩音くん、嫌がってるように見えた?」

「………」

「詩音くんは嫌なことは嫌って言える子だよ。ああでも、嫌かどうか確認されるのは嫌がるから気をつけてあげて」


恥ずかしがり屋だから、と言って笑った直輝さんに驚きの表情を向けると、彼がまたくすりと笑みを零す。


「詩音くんは受け身でいたいんだよ。だから、徳川くんが主導権を握って詩音くんのことを上手く飼い慣らす気がないって言うなら、詩音くんは俺と馬場くんが貰う」


どうする?と問い掛けた直輝さんに対して、徳川さんは静かに「分かりました」と答えた。
それから俺の身体をぎゅっと抱き締めて、耳元で「僕のも触って気持ち良くしてくれたら、沢山ご褒美あげる」と囁いた。




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