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7 ※



「ぎゅって…強く引っ張るのも、好き…っ」

「こう?」

「っああ!」


すかさず指示通りに動いた指が挟んでいたソレをきつく引っ張った。

恥を捨てて頼めば欲しい刺激が得られる。
今ので完全に頭に刷り込まれてしまったようだ。
なけなしの理性がさらさらと流れていって、蓮と目が合った瞬間にパチン、と弾けた。


「痛いくらいの方が好きなの?」

「う、うん…っ…痛いの…きもちい…っ」

「じゃあ、今が丁度良いのかな」

「もっとっ…!もっとしていいっ…」

「どれくらい?」


訊きながら奴の指が摘んだソレを強めの力で引っ張る。
僅かに顔を歪めた俺を見て少し力を和らげたのが分かり、まだそんなんじゃ足りないと身体が疼く。


「と、とれちゃうくらい…っ…それくらい、していい、から…っ」

「でももう真っ赤になってるよ。見てるだけで可哀想」


まあするけど、と言って遠慮のない力で赤く主張する飾りを引っ張られた。

俺を労る姿は演技なのかも知れないけどそれがどっちかなんてどうでも良くて。
乗り気じゃなくても俺からのお願いだから従っているんだと思ったら、俺は確かにこの状況に興奮を覚えていた。


「いっ、いたい…っ…それ、もっとっ」

「ほんとに取れちゃうよ?これ。こんなに引っ張られて、ねえ?取れちゃっていいの?」

「あっ!あっ、だめっ、とれちゃだめ…っ」

「でももっとって。もっとして欲しいんでしょ?取れちゃうくらい、こうやって」


ぎゅうぅと、本当に引き千切られるかと思うくらい力を込められた指。
その声からも確実に奴の興奮が伝わってきて、俺の背筋を駆け上がる。


「い゛ッ!あッ、れんっ……れんっ」

「なに?」

「噛んでっ……乳首、噛んで…!」


更なる刺激を求めると、それまで続いていた刺激がパタリと止んだ。
喪失感が声から漏れて、見上げると真っ赤な目をした蓮が俺を見下ろしていた。
それを合図にゆっくりと胸まで降りてきた顔がその口を僅かに開かせ、白い歯を覗かせる。

期待と興奮が、乾いた喉を通っていった。

その光景から目を離せないまま、奴の歯が真っ赤に色付いた俺のそこにガジリと噛み付いたのを見て、俺の視界は明滅した。


「〜〜ッ!!」


声にならない声を上げて悶る俺に蓮はすぐさま継続的な刺激を与え始めた。
感触を確かめるように歯で挟んで、ギリギリと動かしたり、そのまま歯を食い込ませたり。
既に苛められていたソコはじんじんと熱を持ち、それ以上の刺激を止めるように訴えている。

でも、こんなの、止められる訳がない。

どうなったって良いからもっと苛めて欲しかった。
蓮の頭を掻き抱いて胸を押し付けると、それが少し前の映像と重なり、その快感を思い出して身体が震えた。

両方、されたら、どうなるのか。

どうなるかなんて既にこの身体は知っているのに、蓮が相手だと未知の体験に手を出すかのようでぞくぞくと背中が震える。
言えば何でもしてくれると分かっていて、言わない選択肢なんて今の俺にはもう存在していなかった。


「れんっ舐めるのもっ、して…!噛むのも、舐めるのも…!」


欲深く両方を強請ると、奥に鳴りを潜めていた蓮の赤い舌が歯列を割って外へ出て来た。
それがそのまま、痛め付けられた乳首を癒やすかのようにべろりと舐め上げる。


「ひっ…ああぁッ!」


堪らなかった。
大きく仰け反った身体を拘束した蓮が、舌と歯を使って真逆の刺激を交互に与えてくる。
何が起こっているのか分からなくなるくらい、それだけでもう頭が可笑しくなりそうだった。


「あッ、だめっ、だめっ、それだめっ」


それを繰り返されるのが、と言う意味だったけれど、イヤイヤと首を振る俺を見て蓮は勘違いしたのか。
その時与えていた滑らかな刺激から反対へとシフトを切り替えた奴が思い切りそこに歯を立てる。


「ひぃっ!ちがっ…あ、あ…い゛たい…れん、それ、ちがうぅ」


俺が違うと言うのだから、奴がその後また舌を使って舐め溶かすように愛撫し始めたのは当然のことだった。

それがわざとなのか、ただ俺の命に従っているだけなのか、そんなこともうどうだって良い。
狂おしいくらいの快感に染まってしまった頭はもう、ただ只管にそればかりを追い求める。


「きもちい、あああっ、もっ、やだ、おかしくなる…っ」

「…なっていいよ」

「ひッ!」


可笑しくなると言葉にした俺を更に追い詰めるように、奴は舌と歯とそして指を使って両胸を徹底的に苛めた。

胸への愛撫だけで溜まりに溜まった熱。
それが爆ぜる時を待ち望んでいるのは、下手したら蓮にも伝わってしまっているかも知れない。
伝わっていたとしても、言わなければ奴の刺激がそちらに向くことはないことももう分かっている。


「もうっイきたい…!下も、触って…っ…イかせて…!」


今更躊躇いも羞恥も何もない。
直接的に強請ると俺の背中に回っていた腕がするすると引き抜かれ、そのまま布を押し上げ主張している塊へと降り立った。
「ここ?」とその手が羽でなぞるような繊細なタッチでソコに触れた途端、堪え切れずに腰が揺れ、自らのソレを奴の手に押し付けてより強い刺激を求めた。


「あっあ、きもちッ……ね、もっと…ッ」

「もっと?」

「んっ、ちゃんと、ちゃんと触って!」

「ちゃんとって、これであってる?」


言いながら奴の手が布の上からソコを握り込んだ。
そのまま上下に扱くように動かされ腰がガクガクと震える。


「こんなので良いの?」

「あっ!いいっ、きもちいっ…きもちいぃ…ッ!」

「気持ち良いのは分かるけど、ほんとにこれだけ?これで満足出来るの?まだ俺、」


満足も何も、もう既に限界だった。

言葉の途中で大きく数回に分けてビクついた身体を見て、蓮がまさかと目を見開く。
じわあと布が濡れる感覚が広がって、ああ俺イったんだ…と他人事のように状況を把握した。


「…はぁ……は……」

「……イった…の…?」


嘘だろと言う顔をする蓮にこくんと頷いて見せる。
それでもまだ信じられないのか、自分の手が添えてあるソコと俺の顔を交互に見遣る奴が可笑しくて、俺も少し意地悪をしたくなった。
イったから少し余裕が出来たのかも知れない。


「なあ…気持ち悪いから、脱がせて」

「ッ…!」

「直接見たら、嘘じゃないって分かるから」


俺に生まれた余裕を感じ取った蓮が少し悔しそうに眉を寄せる。
それから直ぐに腰元のゴムに手をかけられ、下着だけを残した状態で膝までズボンをずり降ろされた。
そこに広がる染みの存在を目で見て確認した奴が、視線を上げて俺を見る。


「直ぐにイっちゃうくらい気持ち良かったのか、それとももう…乳首弄っただけでイける身体なの?」

「………ふ」


思わず笑みが漏れた。
そのせいで再び眉を顰めてしまった蓮に、どうしようもなく胸が締め付けられた。


「そんなの、直ぐイくくらいお前のやり方が気持ち良かったからに決まってんだろ」

「ッ!!」

「流石にさ、乳首弄られただけでイける身体になってたら、普通に生活出来ねえよ」


苦笑しながら答えると、唖然としていた奴の表情に喜びの色が浮かんだ。
そのあからさまな反応が本当に犬みたいに思えて、俺は思わず伸ばした手で奴の髪の毛を掻き混ぜた。




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