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俺の勝手な予想だと、そう言った痕を残したいと言う気持ちは佑規さんが一番強いんじゃないかと思っている。
きっと彼らの間のルールなんてものがなかったら、佑規さんとの行為の後は俺の身体は毎回凄いことになっていただろう。

そう考えて、そこで漸く修さんの発言の意味を理解した。
あれが佑規さんのことを指していたんだと言うことは分かったけれど、やっぱり俺にはそれのどこが駄目なのかは分からない。

このところ佑規さんには我慢を強いていた気がするから、今日くらいは他の人達に対する遠慮はなくして貰っても良いんじゃないだろうか。

そうなると順番的に考えて佑規さんが最後だった方が良かったのかも知れない。
佑規さんに好き勝手された身体を見て拓也さんがどう思うか。

それを考えるとそこの順番が逆のように思えたけど、多分佑規さんは待つこと自体も限界だったんじゃないかな。

佑規さんは自らルールを破る人ではない。
でも、許可を与えられた後の反応は彼が一番獰猛になることは間違いないだろう。

その素顔がやっと見られると思ったら、計り知れない興奮で身体が熱くなる。


「何でそんな顔してるの」

「っ…どんな顔、してますか…?」

「苛められたいって顔」


それなら理由なんて訊く必要がない。
言わせたいだけなら、喜んで言ってあげるけれど。


「期待、してるから。佑規さんがしたいこと、早くして欲しくて…っ」

「…暫くは外に出られないかも知れないよ」

「っ……」


それを聞いて酷く興奮してしまった俺はおかしいんだろうか。

佑規さんがしそうなことと言ってもキスマを付けられるか噛まれるかしか頭には浮かばないけど、他にも何かあるならして欲しい。
それに伴う痛みは暴力でも何でもないと胸を張って言える。

愛情の伝え方も受け取り方も、人それぞれなんだから。


「そんな顔して。本当に、どんどんやらしくなってくね」


首元に手を伸ばしてきた彼が汗ばむ肌の上を指先でなぞる。
その指がどんどん下降していって胸元に辿り着くと、そこの中心の周りをくるくると円を描くように刺激してきた。

そのもどかしさで胸を突き出すと、くすりと笑みを零した彼が相変わらず突起だけを避けるようにして弱い刺激を与えてくる。


「ちゃんと触って欲しい?ここは全然弄って貰えてなかったもんね」


確かに、いつもならもう弄られ過ぎて痛みを感じるくらいの状態になっている頃かも知れない。
俺もそこの存在を今思い出したくらいで、今日は殆ど刺激を与えられていない。


「ん…佑規さん…乳首が、いい…」

「うん?」

「…乳首…苛めて、ください…っ」

「どうやって?」

「ぎゅって、ぎゅってして欲し…ッ」

「痛いのが良いの?」


これ?と訊きながら、いきなり遠慮なしに抓られた乳首にビリッと電気が走ったような快感が生まれる。
それだけで中が疼いてしまうのはもう仕方がないことだと許して欲しい。


「佑規さっ、挿れて…っ」

「挿れる?ここはどうなったの?これだけで終わり?」

「あうっあっ…どっちもが…いいっ」

「駄目だよ。突きながら乳首も苛めたら紘夢くんは直ぐイっちゃうから。挿れたまま動かなくても良いなら挿れてあげるけど」

「あ、いい、欲しいっ、佑規さんの欲しいぃ…!」


もう何でも良いから挿れて欲しかった。
佑規さんのが中に入っているならそれだけで十分だと本気で思っていたんだ。

じゃあ、と言って履いていた下着を脱いだ彼が、すっかり勃起している彼のソレにゴムを被せていく様を食い入るように見つめる。


「いつもみたいにお強請りして」


欲しがる俺を焦らして苛めるのが好きな佑規さんとはもう何度もこのやり取りを経験していた。
いつもならもっと挿入までを引き延ばされるけれど、今日はそれまでの流れがあったからちゃんとお強請りすれば直ぐに挿れてくれるんだと思う。

挿入の準備を終えてじっと見下ろしてくる彼の艶やかな視線に身体を震わせながら、そろりと伸ばした両手でヒクつく穴を左右に拡げて見せる。


「ぁ…ヒクヒク、してる…」

「うん、どうして?」

「…佑規さんの、挿れて欲しくて…おかしく、なってる…っ」

「そうなんだ。俺にもよく見えてるよ」


自分で見せているんだから当然なのに、実際に見られていると思ったら興奮を煽られ、早く欲しい気持ちが強くなる。


「んっ…ほしぃ…佑規さんのちんこ、ここの中に挿れてっ…いっぱい、ずぼずぼしてくださいっ…」

「ずぼずぼ?挿れるだけの約束じゃなかった?」

「あ……っちが…ごめんなさ…」


いつもの癖…と言うよりは勢いでうっかりその先まで求めてしまった。
表情を強張らせた俺を見て佑規さんが流麗に微笑む。


「嘘吐いたの?」

「ッ、ち、ちがい…ます…」

「ほんとに?俺が挿れたら自分で腰を動かして気持ち良くなるつもりだったんじゃないの?」


違う。そんなつもりはなかった。

首を振って否定すると、佑規さんは薄く微笑んだまま「お仕置きされたい?」と囁いて俺の両手を掴んだ。


「ッ!?」


”お仕置き”と言う言葉を佑規さんの口から久々に聞いた気がする。
その言葉に衝撃を受けて硬直している間に、俺の両腕をベッドに縫い付けた彼がそのまま覆い被さってくる。


「もっと焦らしてあげる」

「ッ!…や、…やだ……」

「いっぱい我慢した後にイくの、気持ち良かったでしょ。それ、もう一回してあげるから」

「ッ、む…むり…ごめんなさ…っ」

「挿れなくても気持ち良くなれるんだから大丈夫だよ」


違う、そうじゃない。
ただ気持ち良くなりたいが為に求めた訳じゃなかった。

発言を間違えた俺が悪いけど、佑規さんだって分かってて意地悪している筈だ。
あれだけ俺がもう我慢はしたくないと訴えていたのも確実に聞いていただろうし、それでもまだ焦らされるなんて耐えられない。


「佑規さんごめんなさいっ…ほ、他は、何しても良いからっ…焦らすのだけはっ…」

「そんなに嫌?」


そう訊きながら、ゴムを被せたソレを肛門付近に押し当てるようにして緩々と腰を動かし始めた佑規さんを濡れた瞳で見上げる。


「んっ…佑規さ…う、…んっ…」

「これじゃ駄目なの?俺はこれでも気持ち良いよ」


これが佑規さんのしたいことなんだと言われたら受け入れるしかない。
ただ俺を苛めたいだけなんだと言うのなら、これで良いのかも知れないけれど。


「中、より…っ?俺の中より、気持ちいい…っ?」


この素股のような状況で満足だと言われたみたいで少し悲しくて、表情を歪ませながらそう訊ねると佑規さんがふっと口元で笑った。

静かな声で「そんな訳ないでしょ」と聞こえた後。
弄ぶように穴の周りを滑っていた熱の先端が中心に触れ、中の粘膜を無理矢理押し拡げながら奥まで一気に貫かれた。


「―――ッ!!」


あまりにも突然の衝撃に息が詰まり、声すら出なかった。

何が起きたのか、俺自身は半分しか理解出来ていなかったようで。
少ししてから自分の腹が濡れていることに気付き、それから茫然と見上げた先の佑規さんの表情が甘やかに緩んでいるのが目に入る。


「射精は最後にさせてあげるつもりだったのになぁ」

「っ……お…おれ……」

「大丈夫だよ。出したんじゃなくて、出ちゃったんだもんね。怒ってないから安心して」


お仕置きなんてしないから、と言って俺の腰を掴んだ佑規さんが、そこからゆっくりとした速度で腰を打ち付け始めた。




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