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名前

唇を尖らせる彼女に向けて手を広げる。



「してないって。ほら『抱っこ』して『ちゅぅ』してあげるから。」



ジト目で俺を見ながらも、俺の腕の中に納まってくれるうさぎちゃん。


勉強ができて、しっかりしてるように見えるから忘れがちだけど、彼女はとんでもなく不器用な娘だった。


そんな娘に俺は何をそんなに急かしていたんだろう。


彼女はちゃんと俺のことが好きだって言ってくれたんだから、呼び方なんてどうでもいいじゃないか。


もっとゆっくりと進めばいいんだよ。


頬にわざとらしいぐらいに『ちゅぅ』っと音を立てて彼女の頬にキスをする。


凄い音に『吸い付かれた』と自分の頬に手をあてたうさぎちゃんの目の前でにっこり笑うと、彼女は照れながらも自分から俺にキスをしてくれた。


これは凄く珍しい事!


嬉しくなって離れようとする彼女の頭に手を添えて、俺からも何度もキスをする。


啄ばむキスはどんどん深くなり、口内を貪り合い、なんとかふたりの唇が離れると彼女のお尻に自身をすりつける。



「はぁ…うさぎちゃん…もうヤバイ…シテいい?」

「///…私も…」



ピアノの前は窓から見えるからと、ドアのすぐ下にふたりで隠れる。


ここなら死角でしょ?


もう一度初めから彼女を解してあげようとしたけど、彼女が待てないと言ってくれたから、俺たちはすぐにひとつになった。


防音扉のすぐそばでは、その防音性はどこまで効き目があるのかとかは考えずに、たくさん彼女を揺さぶって、鳴かせた。

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あきゅろす。
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