「眩しいぞこのやろー…
今何時だと思ってんだ…?」
ロマーノが子分となり、ウチで一緒に暮らし始めてからしばらく経つ。
「あ!ロマーノ!」
初めての子分。
しかし喜んだのも束の間、すぐに親分として男として、悩むことになった。
「そんでなぁ、」
「ごめんアントーニョ、話は後で聞くから!」
ロマーノがウチに来た日、ハンナとの子供が出来たみたいだと思って、照れたりもした。
子供好きのハンナが喜んでるのを見て、俺も嬉しくなったりもした。
「探したぞちくしょー」
「ああロマーノ、一人じゃ眠れなかった?」
「寝れる…けど」
ここ数日、本気でロマーノをどうにかしてしまいそうな衝動に駆られている。
「アントーニョ、ちょっとロマーノ寝かせてくるね」
ロマーノが来てからハンナはあいつに付きっきりになっている。何でもあいつ優先で、たまにわざとらしささえ感じるほどハンナに贔屓されていた。
確かにロマーノは可愛いし、ロマーノが俺よりハンナの方に懐いている点ではハンナが羨ましいけれども。
「あー…おやすみ。
また明日キスで起こしてや」
「ロマーノがまだ寝てたらね?」
あんなに小さい子供に妬くのもどうかしているが、やはり自分が好きな相手の一番でないのは気分が悪い。
ハンナの腕の中で、ロマーノは半開きの目でうとうととしながら俺を見上げている。
その目を片手で隠し、石鹸の香りが残るハンナに口付けた。
いつもならここで返事があるのだが、ハンナは愛想笑い一つで向こうへ行ってしまった。
「ああ…
俺エムになるべきなんやろか…」
「…そろそろ普通にスペインと喋ってやれよ」
「うーん、まだもうちょっとだけ妬かせていたいな。あの人超の付く鈍感だから貴重なのよ?」
「知るか。ここんところ毎日俺の服があいつの涙でしっとりなんだよちくしょーが」
またあなたの愛を得る日まで
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