「ねえフィン、明日はエイプリルフールだね」
(そういえばそうだね。ハンナちゃんは何かするつもりなの?)
「ノルに吐こうと思ってる嘘はあるけど怖いから迷ってる」
(うーん、それなら僕と組むのはどう?)
「例えば?」
(お互いに入れ替わったフリをするとか)
「おー、それ面白いね!でも誰か似たようなこと考えてたりして」
(まさかぁ)
「あ……」
(どうしたの?)
「今窓の外に、星のステッキを持った眉毛に難ありの天使らしき人影が」
(……やたら具体的だね。ハンナちゃん疲れてるんだよ)
「そうかも。今日もノルウェーにいっぱいいじめられて疲れちゃった!」
(ふふ、それじゃあそろそろ寝ようか。おやすみ、また明日ね)
「うんおやすみ。フィン、起きたらフィンは私だからね」
(はーい、じゃあね)
(じゃあね)
天使は聞いている
「ふーん……入れ替わりか。面白そうじゃねえか。ちょっくら奇跡、見せてやるか」
白い棒の先に星の付いたシンプルなステッキを眺めながら、イギリス……もといブリタニアエンジェル(ブリ天)は、独りニヤリと微笑むのだった。
「ほあたっ」
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